実は限定、大人な1本。「カルティエ(CARTIER) ロトンド ドゥ カルティエ クロノグラフ Ref.W1556239 2015年300本限定」 2021年12月20日
2021-12-20 11:00
今回のエバンスブログは、「カルティエ(CARTIER) ロトンド ドゥ カルティエ クロノグラフ Ref.W1556239」のユーズドウォッチをご紹介。濃いブルーとシルバーの文字盤が印象的なこちらは、2015年の300本限定モデルとなります。
今回の時計 ~ロトンド ドゥ カルティエ
(■今回の時計 ロトンド ドゥ カルティエ クロノグラフ W1556239 2015年300本限定 ■裏蓋はシースルーバック、ベルトはバックル式)
こちらの「ロトンド ドゥ カルティエ (Rotonde de Cartier) クロノグラフ Ref.W1556239」は、カルティエのメンズウォッチ。40mmサイズのラウンド型ケースに、自社製自動巻きムーブメントを搭載した1本です。こちらのホワイトゴールド素材にブルー/シルバー文字盤は、限定モデルならではの仕様となります。
カルティエ(Carier)
1847年にフランスのパリで設立された「カルティエ(CARTIER)」。英国王エドワード7世が「王の宝石商、宝石商の王」と讃えたという逸話もある名門ジュエラー。時計界においても歴史が長く人気のブランドです。
(カルティエ 主なモデル 1、タンク フランセーズ SM(W51007Q4) 2、パンテール(WSPN0006) 3、バロンブルー MM(W69011Z4 生産終了品) 4、サントス ドゥ カルティエ(W2SA0006 生産終了品) 5、ドライブ ドゥ カルティエ(WGNM0008)
サントス、タンク、パシャといった普遍的な名作モデルを多く生み出し、大胆な造形のモデルや技巧を凝らした宝飾系モデルでも、個性を感じさせるカルティエの時計。女性に人気の高い印象がありますが、最近は複雑機構や自社製機械式ムーブメントを開発・搭載するなど、時計愛好家に向けた本格派メンズウォッチも多く手掛けています。
ここで、腕時計に関係するカルティエの歴史を簡単に振り返ってみましょう。
1904年 | 飛行家サントス デュモンのために、世界初の本格的な男性向け腕時計を製作。 |
1917年 | 戦車をモチーフとした「タンク」が誕生 |
1930年代 | モロッコの太守 エル ジャヴィ公の要望で防水性の高い時計を製作。 のちの「パシャ」の原型となる |
1993年 | ヴァンドーム(現リシュモン)グループ入り |
1998年 | 機械式のみの上級コレクション「コレクション プリヴェ カルティエ パリ (CPCP)」が誕生。(2008年頃に生産終了) |
2001年 | 製造拠点を集約。スイスのラ ショー ド フォンに設計・開発・製造を行うウォッチマニュファクチュールを設立。 |
2008年 | カルティエ初のジュネーブシール規格を取得(自社ムーブメントCal.9452MC)。バロン ブルー ドゥ カルティエ トゥールビヨンに搭載 |
2009年 | 高級機械式時計における最上位となる「オート オルロジュリー」コレクションを発表。自社開発工房で開発・製造された複雑機構ムーブメントを搭載。 |
2010年 | 自社開発ムーブメントを搭載した、初のメンズ専用コレクション「カリブル ドゥ カルティエ」が誕生。(2020年頃生産終了) |
約100年前から、時計の世界で存在感を示し続けてきたカルティエ、2000年頃から男性に向けた本格的な機械式時計にも力を入れている様子が伺えます。
ロトンド(Rotonde)
(■現行のロトンドウォッチは、カルティエ公式サイトで11モデルほど確認できる 出典:カルティエ公式サイト https://www.cartier.jp ■ロトンドと同じく1961年モデルがルーツの現行「ロンド」。短めラグが特徴 6、ロンド ソロ ドゥ カルティエ(WSRN0012) 7、ロンド ルイ カルティエ(W6801005))
ロトンド(Rotonde)は「円形の建物や空間」を意味するフランス語。1961年の「ロンド」を元に、2000年代の中頃に初登場。シンプルな丸型ケースに、技術的に凝ったムーブメントを搭載したモデルが多く、拘りぬいた最上位クラスの機械式時計コレクションとなっています。
ちなみに、ロトンド シリーズに搭載されている機構としては、フライングトゥールビヨン(姿勢差の分散装置が浮かんで見える)、ミニッツリピーター(ゴングが時刻を知らせる)、パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)、ミステリーウォッチ(カルティエ独自の透明ダイアル機構)などがあり、カルティエのオート オルロジュリー(高級時計の製作 といった意味)を体現したコレクションでもあります。
では、ここからは今回の時計を見てみましょう。
この時計について
(■濃いブルーとシルバーの2色使いのダイアルが印象的。 ■ギョ―シェ文字盤とシークレットサイン)
ラウンドケースに長めのラグで、クセのないフォルムのこちら。リューズのブルーの石(スピネル)がカルティエの時計であることを物語ります。てっぺんが丸く磨かれたカボションカットでエレガントさも漂います。
ダイアルは濃いブルーとシルバーのツートーン。表情に深みを与えています。青い部分もシルバー部分も、ギョーシェ彫りが施されており、ブルーの部分は同心円でなく花びら状になっていて、細やかさが伺えます。インデックスも、カルティエらしいローマ数字。CARTIERのシークレットサインはVIIのところに入っています。
インダイアルは、9時側がクロノグラフの12時間計、3時側が30分計の2つ目ダイアル。針はブルースチールです。時分針はブレゲ針(アップルハンド)と言われるクラシカルなタイプ。一番長い針はクロノグラフの秒針で、普通の秒針は省略されています。日付は6時位置にシルバーで縁取りされ、見た目のポイントにもなっています。
(■シースルーバックから美しく仕上げられたムーブメントが見える ■厚さは約11.8mm)
裏蓋はシースルーバック。美しく仕上げられた自社ムーブメント(1904-CH MC)を眺めることができます。裏蓋の枠部分には、「限定ナンバー」や18金を意味する「Au750の刻印※」も入り、このモデルの特別さをさりげなく物語ります。(※現行のクロノグラフ仕様はステンレス、ピンクゴールドのみ)
ベルトはネイビー色で着脱がしやすいDバックル仕様。(DはDeployment(デプロイメント)=折り畳み式 のこと) 40mmサイズのケースに約112gの重さで、袖周りの邪魔になりにくそうなサイズ感です。スーツ姿にもしっくりきますが、カジュアルスタイルにもいいアクセントになりそうな感じです。
ほどよく華がある大人な1本
(■クラシカルで上品な佇まい ■腕回り約16.5cmのスタッフが腕に乗せてみました)
ロトンド ドゥ カルティエ クロノグラフ Ref.W1556239、いかがだったでしょう?
超絶メカニズムの時計が多いロトンド コレクションの中では、異色と言えるシンプルでスッキリしたモデルですが、上品なツートンカラー文字盤にホワイトゴールドケースの300本限定という実は珍しい1本だったりします。
そして、今の主流となっているラグジュアリーなスポーツ系ウォッチとは雰囲気が異なるドレッシーな顔立ちですが、クラシカルでほどよく華がある大人っぽい1本となっています。機会があれば店頭でお試しください。
→カルティエ(Cartier) ロトンド ドゥ カルティエ クロノグラフ (USED)
(W1556239、2015年300本限定、18KWG、40mm径、自動巻き、箱・保証書付き)