Ref.116600 シードゥエラー4000 近年稀に見る短命モデル、今後の展望は!?
2021-08-10 11:00
ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。
今回は隠れたハイスペックモデルでありながら、僅か3年間のみ生産されたシードゥエラー4000 Ref.116600をご紹介します。
サブマリーナーとシードゥエラー
腕時計の世界においてダイバーズウォッチは常に人気の高いジャンルですが、ロレックスのダイバーズウォッチといえば、サブマリーナーがその知名度の高さから群を抜いた存在として知られており、スキューバダイビングから水辺のレジャー、そして日常生活においても活用の幅が広いモデルとして人気を博しております。
一方でシードゥエラーは、飽和潜水という特殊な環境下での使用を目的とし、防水性能はサブマリーナーの300mに対して、1220mまで高められたプロ仕様のモデルとして開発されました。
双方ともにデザインは似ていますが、スペック面においては大きな差があり、シードゥエラーはより通好みのモデルであると言えます。
僅か3年間で生産終了、稀に見る短命モデル
それでは今回の話題の中止となるシードゥエラー4000 Ref.116600(以降、Ref.116600)について、その特徴をあげてみたいと思います。
まずは冒頭でも触れましたが、その生産期間の短さについてです。
ロングライフモデルが多いロレックス、特にプロフェッショナルモデルにおいて、Ref.116600は特に生産期間が短く、2014年から2017年にかけて僅か3年間のみ生産されました。
先代のRef.16600が18年間(1990年~2008年)に渡り生産され、防水性能を飛躍に向上させた、派生モデルであるディープシーRef.116660においては10年間(2008年~2018年)、またRef.116600の後継モデルにあたるRef.126600に関しては2017年以降、現在でも生産が続けられています。
シードゥエラー4000とは
つづいては、Ref.116600が持つ製品自体の特徴です。
モデル名にある4000は防水性を示すフィート表示での数値を冠しており、Ref.116600にのみ見られるネーミングとなっています。
旧型のRef.16600からは外装面で大幅な進化を遂げており、セラミックベゼルをはじめ、ケースやブレスレットの造形などにおいて、現在でも十分通用する質感や仕上げを持っています。
また、後継機種となるRef.126600についてはムーブメントが刷新された点を除いては、防水性能など基本的なスペックはRef.116600と同じく、ケースサイズに関しては43mmと肥大し、カレンダーにサイクロプスレンズが接着された外観からは、サブマリーナーデイトの大型版といった印象もあります。
クラスプに内蔵される機構もプロ仕様の本格的なものであり、サブマリーナー(Ref.116610LN以降)同様のグライドロックエクステンションシステムは、工具を使わずに無段階でスライド調整が行える利便性の高い構造に加え、織り込まれた駒を展開することで、ダイビングスーツの上からでも着用が可能となるフリップロックエクステンションを備えており、これはより本格的なプロ仕様モデルあるシードゥエラーとディープシーのみに採用される構造です。
Ref.116600は同時代のRef.116610LNと類似するデザインを持ちますが、ケースサイドにはヘリウムガスエスケープバルブを備え、サイクロプスレンズを持たないサファイアが採用されるなど、往年のシードゥエラーが備えていた外見的な特徴が散見される、時代の懸け橋となるモデルと言えます。
今後の展望、購入のタイミングは!?
長年培ってきた40mm径という、実に取り回しの良いケースサイズの中で、極めて高い防水性を確保し、外装面の品質も飛躍的に向上させたRef.116600はシードゥエラーの一つの完成形であり、同時代のRef.116610LNやRef.114060に比べ、明らかに少ない流通量も、希少性の高さに拍車をかけています。
2021年8月現在、Ref.116600の中古価格帯は160万円台が中心となっており、価格に関してはゆるやかな上昇傾向がみられますが、人気プロフェッショナルモデルとしては、まだまだ手が出しやすい価格帯に収まっている状況です。
今後の値動きに関して断定は出来ませんが、 気が付いた時には価格の高騰はおろか、市場から姿を消してしまう、そんな要素を含んだモデルがRef.116600ではないでしょうか。
3年間という短い生産期間、そしてケースサイズ40mm最後のシードゥエラーという点を踏まえても、Ref.116600を手にする良いタイミングではないでしょうか。