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1997年の未開封。PATEK PHILIPPE (パテック フィリップ) パゴダ 限定 Ref.5500J-001 2020年11月2日

2020-11-02 10:30

今回のエバンスブログは「PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) パゴダ Ref.5500J-001」のユーズドウォッチをご紹介します。1997年に発売された特別な記念限定モデルの一つで、ビニール袋が未開封という1本です。

 

この時計の概要

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こちらの「パテックフィリップ パゴダ(PAGODA) Ref.5500」は、ジュネーブ郊外の「プラン・レ・ワット」に建築した本社工場の落成を記念した1997年の限定モデル。こちらのイエローゴールド素材は1,100本の限定で、ローズゴールド500本、ホワイトゴールド250本、プラチナ150本の計2,000本が作られました。

この落成記念コレクションには、「レディースのパゴダ」(Ref.4900)と極少量だけ生産されたオフィサーケースの「ミニッツリピーター」(Ref.5029)も存在していました。

 

未開封

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今回の時計の特徴は「未開封品」であること。ただ、約23年前の時計で素材の変色等も見られるため、当店ではユーズド(中古)という札をつけています。

パテック フィリップは、その希少性や資産性から「未開封」のままコレクションされ、流通することもあるブランドですが、四半世紀も前からそういう対象だったとは驚きです。

 

1997年?

ちなみに、1997年(平成9年)は、消費税が3%から5%に変わった年。「山一證券の破綻」や「ペルーの日本大使公邸人質事件」が起こりました。イギリスのダイアナ妃が交通事故死した年でもあります。映画では「もののけ姫」や「タイタニック」が公開。安室奈美恵さんの大ヒット曲「CAN YOU CELEBRATE?」もこの年のリリース。そして、女性騎手の藤田菜七子さんが生まれた年でもあるそう。

また、この年の終わり頃、TVドラマ「ラブジェネレーション」で、木村拓哉さんが「ROLEX エクスプローラーI(Ref.14270)」を着用し、ブームが起きるという、そんな時期でもありました。

 

その頃のパテック フィリップ

記念ブックレットより記念ブックレットより

(付属のブックレットより 建築された本社工場、パゴダ YGモデルの解説)

1839年に設立されたパテック フィリップ。180年もの長い歴史を持ち、世界3大時計ブランドの一つとして、時計界の最高峰に君臨する名門ブランドです。

1997年以前のパテック フィリップは、工房がジュネーブ市内の10個所以上に点在していました。これを、未開発だった郊外の広大な地でひとつ屋根の下に統合し、一気に現代化を図ろうという大決断が、プラン・レ・ワットでの本社工場建設だったといいます。

今年、2020年の限定モデルとして、最新工場の落成を記念するステンレス素材の「カラトラバ(Ref.6007A-001)」が限定発売されました(→参考:公式サイト)。この工場は1997年の本社工場が手狭になり、再び分散していた事業活動を、全長約200mで10フロアの巨大ビルに集約するという大規模プロジェクトだそう。約20年で一巡りしていますね。

 

パゴダについて

パゴダ(PAGODA)は「仏塔」を意味する英語。「エッフェル塔」の愛称を持つ1940年代の名作Ref.2441を蘇らせたモデルとなります。正面からはくびれ気味の長方形型ですが、横から見るとガラスが大きく湾曲、足を踏ん張ったようなラグで、タワーのような独特な形となっています。

ここで、かつて当店で取り扱っていた、素材違いのローズゴールド仕様(5500R ユーズドウォッチ)で、その流麗なフォルムをご覧ください。

同型のパゴダ 5500R同型のパゴダ 5500R同型のパゴダ 5500R同型のパゴダ 5500R

パゴダの金型は処分されたため、このモデルは1997年以降に作られることはなく希少性を保っています。「COMMEMORATION(記念) 1997 PAGODA」の刻印が刻まれた裏蓋の奥には、手巻きムーブメントCal.215が搭載されています。シンプルな構造で、カラトラバなど現行モデルにも採用されている歴史のあるムーブメントです。

記念ブックレットとメダルCOSCとジュネーブシール合同で発行された歩度証明書

そして、記念モデルならではの、ブックレットやスターリングシルバー製のメダルも付属します。ブックレットには建築された本社工場や記念コレクションの各モデルのストーリーが掲載されています。

さらに、スイスを代表する機械式時計の2大検定機関「COSC (スイス公式クロノメーター認証機関)」と「ジュネーブシール認証機関」が合同で発行したという、特別な歩度証明書も付属します。

 

技術者に聞いてみました。

未開封とはいえ23年前の時計。開けたら気になりそうな、変色とムーブメントのことを当社技術スタッフに聞いてみました。

「ケースの変色は、18金に含まれる銅の成分の酸化によるものでしょう。『イオン洗浄』を行うことで、電気的に分解してきれいにできます。ムーブメントの部品は傷んでいないと思いますが、何種類か使っている潤滑油が固まっていたり蒸発していたりするので、オーバーホールが必要だと思います。」とのことでした。

パテック フィリップは、高級腕時計界でも稀有な永久修理や修復を掲げているブランドでもありその意味でも安心。開封した後もじっくりと使っていけそうです。

 

開ける?開けない?

この時計を手にされる方は、ビニール袋を開けるでしょうか?開けないでしょうか?
開けずに未開封をキープしコレクションとして愉しむのも、大人の余裕という気がしますし、開けて美しいフォルムを腕元で愉しむのも、それはそれでいいような気がします。果たしてどちらがいいものでしょうか。

パテックフィリップ パゴダ 5500J-001 記念限定モデル 未開封品

「PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) パゴダ Ref.5500J-001」
(1997年、限定1100本、未開封品、手巻き、ケース41×29mm、箱・保証書・冊子・メダル付き)

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