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シードゥエラーRef.126600 MK1(ノークラウン)ダイヤル、ブラウンチェンジの真相

2020-08-19 17:00

いつもエバンスブログを、ご覧頂きましてありがとうございます。
今回はRef.126600、通称赤シードの中でも希少なMK1ダイヤルについて、また話題のブラウンチェンジも含めて、掘り下げてみたいと思います。

まずはじめに、Ref.126600についてですが、こちらはRef.116600の後継モデルとして、シードゥエラー生誕50周年にあたる2017年に発表され、2020年8月現在も現行品として販売されているモデルです。

Ref.126600 MK1(ノークラウン)ダイヤルとは?

Ref.126600は、3年あまりの生産期間でダイヤルの仕様変更が行われ、2017年から2018年秋頃まで生産された、初期仕様のダイヤルがMK1と呼ばれています。

その特徴はダイヤル下部に王冠マークが無く、防水性能の表記である1220mの「1」の書体や異なる点がありますが、やはり一目で分かるのはポイントはダイヤル下部の王冠マークの有無と言えます。
また、王冠が入らないことから、別名ノークラウンとも呼ばれています。

Ref.126600 MK1ダイヤル(ノークラウン)

2019年からは他のモデル同様に、ダイヤル下部に記されるSWISS MADEの間に、王冠マークがレイアウトされるようになり、現在でもこの仕様のダイヤルがが継続採用されています。

2019年以降、SWISS MADEの間に、王冠マークがレイアウトされるようになりました。

生産期間が一年半ほどと短く、分かりやすい判断基準を持ったMK1ダイヤルは、その希少性ゆえ人気が高まるのに多くの時間を必要とせず、現在では中古市場でも明確に区別される存在となっています。

ブラウンチェンジとは?

MK1ダイヤルの稀少性は高まる一方ですが、最近ではダイヤルがブラウンへ変色する個体が話題となっています。

下の画像が、実際にブラウンチェンジしたMK1ダイヤルです。
右の現行ダイヤルに比べると、左のMK1ダイヤルの色味の違いが確認出来ます。劇的な変化ではありませんが、比べると確かに茶色い、そのような色味です。

Ref.126600はもともとマットな仕上げのダイヤルですが、MK1ダイヤルでは、古色味を得たブラウンが輪をかけて雰囲気を醸し出し、初代シードゥエラーRef.1665のMKⅡダイヤルで見られたブラウンチェンジを彷彿とさせるようです。

Ref.126600 MK1ダイヤル ブラウンチェンジ

少し角度を変え、光を少し多めに当てると、色味の違いが分かりやすくなります。上の画像がブラウンチェンジのMK1ダイヤル、下の画像が現行ダイヤルです。

Ref.126600 現行ダイヤル

メーカーの見解について

このように製造から僅かな期間で、変色(退色?)を起こす個体のあるMK1ダイヤルですが、そこで一つ気になるのがメーカーの見解です。
ブラウンチェンジしたダイヤルについてメーカーの見解はどのようなものか、またブラウンチェンジは経年劣化に当たるのか、その場合の対応はどのようになるのかを聞いてみました。

今回は日本ロレックスのサービスセンターへ、電話で質問してみました。
日本ロレックスの回答としては、指摘の文字盤の変色については、国際保証の対象になるとは言いづらく、また現物を確認していないので、明確な回答は出来ないとの事でした。
ですよね、電話口でいくら変色が起きていると言っても、現物を確認しない事には答えようがありませんものね。

ブラウンチェンジは偶然なのか、意図的か?

ブラウンチェンジと言えば、ヴィンテージロレックスではミラーダイヤルで確認される通称トロピカルや、Ref.16520のブラックダイヤルのインダイヤルが茶褐色に変化したパトリッツィダイアル(ブラウンアイ)が有名ですが、何れも塗料の経年劣化や、紫外線の影響によるものであるとされています。

また、その背景には確固たる品質への自信があり、即ち変色や退色が確認できても、塗料の剥離や視認性を損なうものでは無く、あえて変化が現れるように仕組まれたものであれば、ユーザーそして販売店もまた、ロレックスの掌で転がされている、とは言い過ぎかもしれませんが、それも事実なのかもしれません。

生産されて数十年の時を経た製品であれば、何らかの劣化は見られても不思議ではありませんが、Ref.126600のような現行モデルにおいて、ロレックスほどの生産規模、そして世界トップレベル技術を持った企業が、僅か数年で変色や退色を起こす仕上げのダイヤルを、見逃し出荷するとは考えられず、そこには話題の提供や広告的なもの、意図された何かを勘ぐってしまいます。

以上、私見も交えて記してきましたが、ロレックスにおいては同じリファレンスであっても、生産時期や仕様の違いが価格に反映されやすい傾向にあります。
Ref.126600のMK1ダイヤルについても、生産数がごく限られ、またブラウンチェンジの出現、あるいは変色の進行具合も個々に異なる点など、他のモデルにはないポイントを備えいることから、今後の動向にも注視したい対象であると言えます。

本日も最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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