エバンスブログ

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デイトナ徹底比較!

2020-09-01 11:30

こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
今回は、5桁から現行の“ステンレス デイトナ”のみに絞り、徹底的に比較をして語ってみたいと思います。

デイトナとは

アメリカフロリダ州の“デイトナ・ビーチ”にある“デイトナ インターナショナル スピードウェイ”の名に因み、1963年にロレックス社が腕時計デイトナを発表した際に名付けられました。その名の通り、デイトナはカーレーサーのために製作されたモデルです。ベゼル上に記された目盛りとタキメーターで、ドライバーは平均速度を読み取ることができます。
モータースポーツ界へ参入して50年以上経った今もなお、ロレックス・デイトナは、スポーツウォッチの頂点として君臨し続けているのです。

また、文字盤上にある“コスモグラフ”とは、アメリカ航空宇宙局“NASA”へのオマージュを込めて1961年にロレックス社が製作した最初のクロノグラフのことです。同社はその名を大切に、次に作ったクロノグラフへ繋いだのです。
以来、プレ・デイトナと呼ばれるRef.6238をはじめ、現行のRef.116500LNに至るまで必ず“COSMOGRAPH”の文字が入っているというわけなんです。

Ref.16520とは

手巻きデイトナを経て、第四世代にあたる傑作。ご存知の方も多いと思いますが、ゼニス社の名機、“エルプリメロ”をロレックス社が大幅に手を加えて改良したムーブメントを搭載している歴史に残る名作です。

このCal.4030は、すべてのRef.16520に採用されており、改良点を挙げるとエルプリメロはハイビートと呼ばれる36,000振動ですが、ロレックス社により安定の28,800振動へ、また時計の心臓部分であるテンプを大きくし、同社得意のマイクロステラナットを取り付けました。
Cal.4030はこれらの改良により振動による摩耗を減らし、精度の向上、更にはメンテナンスもしやすいという、ゼニス社の完成された名機を更に完璧なものにした、ロレックス社だからこそのムーブメントなのです。

Ref.16520は1988年頃からの生産で、最初期ロットのR番のみに見られる艶あり白文字盤(黒文字盤はすべて艶消し)、RとL番のみに見られるコスモグラフの文字だけが一段下がった“段落ち”、通常60-400までのタキメーターベゼルの表記のものが、50-200までの表記の“200タキ”、6の数字が逆さまになっている“逆6”文字盤などがプレミアとして取引されています。また、1993-1995年頃生産のS,W番のみに見られるインダイヤルがブラウンに変わる“ブラウンアイ(別名パトリッツィ)”、2000年、最終ロットのP番も近年注目されており、これらもプレミアムが付いています。
ちなみにパトリッツィの名の由来は、時計専門のオークションハウス”アンティコルム”の創設者である”オズワルド・パトリッツィ氏”に因んでいます。アンティコルムはオークションを開催するだけでなく、時計関連の分厚い図鑑のような書籍が有名で、アンティークロレックス好きな方とお話しているとフィリップスなどと共に必ず話題に上る、常に注目されているオークションハウスです。

数々の文字盤マイナーチェンジを経て、12年の生産で幕を閉じたRef.16520。いい個体は市場からどんどん消えて行き、これから更にその価値は上がっていくことでしょう。

ROLEX ロレックス デイトナ  (ブラウンアイ) 16520

Ref.116520とは

第五世代にあたるこのデイトナ、前作との大きな違いはムーブメントと夜光、ケース、ブレスレットとクラスプの作りです。ムーブメントはCal.4130へ変更、パワーリザーブが72時間へと延び、秒針の停止するハック機能が付きました。

2000年から2016年まで生産していたこのデイトナから市場では人気に火が付き、一気にプレミアムモデルへの階段を駆け上がりました。特に黒文字盤が人気・品薄が続き、ステンレスは変わらず白と黒の文字盤のみのつくりで、前作から引き続き文字盤の色変えができることを利点とするモデルでした。

夜光は2013年頃までスーパールミノバを採用していましたが、それ以降はロレックス社特許の”クロマライト”へ変更され、これはスーパールミノバの約2倍の8時間という発光時間を持つ、色が青色の夜光塗料です。これにより視認性がグッとアップしました。ちなみに同社初のクロマライト採用モデルは私も愛用していた2007年発表のミルガウス、Ref.116400GVでした。これはスーパールミノバとクロマライトを組み合わせたもので、今となってはレアな手法の文字盤だったんですね!

ケースは全面鏡面仕上げの丸みを帯びたラグへと変更になり、ブレスレットは中空から無垢へ、バックル(クラスプ)もしっかりした作りへ変更されました。2008年頃には穴のあいているクラスプから、高級感のある艶消し(通称:梨地)の穴なしクラスプへ、そして2015年頃には梨地から鏡面のクラスプへ変更となり、特に最終年の2016年製のRef.116520鏡面モデルが高値で取引されています。近年のロレックスは、視認性と共に耐久性にも力を入れているのが歴然ですね。

そしてもうご存知かもしれませんが、このRef.116520を私は数年間愛用しており、このモデルこそ私が生涯を共にしようと決めた腕時計です。サイズも重さも心地よく、着けていて話題にならないことがない私の宝物です。

ROLEX ロレックス デイトナ 116520

Ref.116500LNとは

第六世代のデイトナ、2016年から製作しているロレックスの最新モデルで、前作Ref.116520と同じCal.4130を搭載、主な変更点はステンレスベゼルから、セラミックベゼルへと変わった所です。
このベゼルは“セラクロムベゼル”という名称で、耐傷性・耐蝕性に優れ、紫外線の影響も受けにくいため半永久的に色褪せることなく輝きを保ち続けます。
実は2011年からデイトナのエバーローズゴールドにはセラクロムベゼルが採用されておりましたが、遂にステンレスデイトナにも装着されました。

この見た目から、4桁のデイトナを彷彿とさせ、白文字盤でインダイヤル黒という所が通称“パンダ”文字盤を想起させることから、前作まで黒文字盤が圧倒的人気を博していたのですが、Ref.116500LNに変わり、白文字盤人気へと変化したのです。未だに白文字盤の方が価格が高いのはそのためです。また、今まで可能だった文字盤の色変えが転売防止のためNGとなったことも、理由のひとつですね。

ちなみにリファレンスの末尾“LN”は、フランス語 “Lunette Noir”の略で、意味は黒いベゼルです。GMTマスター誕生50周年にあたる2005年に発表されたゴールドモデルRef.116718よりセラクロムベゼルが採用されたのですが、このモデルから末尾にLNが付くようになりました。(※現在は生産終了)
セラクロムベゼルが装着されたことで、黒文字盤も前作より更に高級感が増し、その魅力が際立ったモデルとなりました。

そして私見ですが、前作と同じキャリバーを採用しているということは、近い将来、生産終了になるのでは?と考えています。なぜなら、常に前進し続けている革新的体制のロレックス社のことですから、クロノグラフの新キャリバーの開発に勤しんでるに違いありません。そうなるとRef.116500LNの入手は極めて困難なものとなり、更にプレミアムが付くことでしょう。

ROLEX ロレックス デイトナ 116500LN

Ref.16520・Ref.116520・Ref.116500LN 3モデルそれぞれのディテール

下写真、一番左のRef.16520ですが、他の5桁のスポーツモデルと同じ鋭利な艶消しのラグ、ブレスレットは中空ですが、他モデルとの違いは、高級感を出すために真ん中を鏡面仕上げにしています。
ラグ幅は上から約4ミリ~2ミリ、ラグの長さは約13ミリ、ベゼル幅約3.5ミリ、ブレス幅上から20ミリ~15ミリ、ケース厚み(ガラス・裏蓋含む)約12ミリ、クラスプ厚み約0.5ミリという結果でした。

真ん中のRef.116520はRef.16520と似た仕上げですが、ケースラグが丸くなって鏡面となり、ブレスレットが中空から無垢へ、クラスプもしっかりとした作りへ変更となりました。ラグ・ベゼル・ケース厚みはRef.16520と全く同じで、クラスプのみ約1ミリへと変更になりました。

一番右のRef.116500LNですが、ケース・ブレスレット・クラスプ・キャリバー共Ref.116520とすべて同じ仕上げで、唯一の違いはベゼルです。前回の私のブログ記事「スポーツロレックス・重さ比較編①」でもお話しましたが、なんとRef.116500LNの新型の方がRef.116520よりも2グラム軽いというおもしろい結果が出ており、というのは見た目的にセラクロムベゼルの方が重いイメージだったので、意外でした。ちなみにRef.16520が約124グラム、Ref.116520が約143グラム、Ref.116500LNが約141グラムです。上の記事、お時間ございます時にお読みいただけると幸いです。

大きさや見た目を大きく変えず、時代に合わせて進化し続けているロレックス・デイトナ。このモデルの魅力には抗えない、魔力と言っても過言ではないなにかが私や皆を惹きつけます。これからも永遠に、私達を魅了し続けてくれることでしょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回、私の一番好きなモデルを最初に選び、徹底比較編を開始しました。これから少しずつですが、いろんなモデルを比較して行きますので楽しみにしていてくださいね。

文章で出て来たパトリッツィー及び、Ref.116520、Ref.116500LNは今エバンスに在庫がございます。パトリッツィーは大変なレアモデルですので、この記事を読んで気になられた方は是非、お早めにお越し下さい。(※ご来店になる前に一度当社HPまたはお電話で在庫をご確認いただければ幸いです。)

みなさまのご来店、心よりお待ち申し上げております。

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