今回のエバンスブログは、「限定モデル7選」と題して、腕時計専門店である当店に並んでいる限定モデルの中から7組のブランドウォッチをご紹介します。ネットで飛び交う情報の増加や加工技術の進化などが関係するのか、限定モデルが近年増えている気がします。
「限定モデル」を振り返る
(写真1、エンブレムが描かれたOMEGA 2、ZENITH 1960年代モデルの復刻 3、HUBLOTとベルルッティのコラボ)
ブランド腕時計の「限定モデル」は、普通、生産数が限られており、001/100のように固有番号や限定数がケースに刻印されていることが多いもの。数百~数千本くらいの数が多いように思います。
限定数を公表しない「記念モデル」や、販売場所が限られる「ブティック限定モデル」も限定モデルの仲間と言えるでしょう。
時計自体の「限定」内容としては、主に以下の3つがあげられます。
1、定番モデルにない仕様 | 色や素材などが特別、マークやロゴが入るなど |
2、復刻モデル | 周年記念などで昔のモデルを復活 (クォーツショック以前の1950年代~1960年代の時計が比較的多い印象) |
3、コラボレーション | 有名人、異業種などと協業した特別なモデル (HUBLOT(ウブロ)とフェラーリなど) |
いずれの場合も、定番モデルとは違う「特別感」や数が限られているという「希少感」が、限定モデルの魅力になっていそうです。
エバンスで取り扱うブランドでは、OMEGA (オメガ)は限定・記念モデルが特に多い印象。映画(007)、スポーツ(オリンピック)、宇宙(NASA)関連など、コンスタントにリリースされています。
PANERAI (パネライ)は、裏蓋に「プロダクションナンバー」なる製品番号が入っています。そこから、年間の製造本数が判るので、通常モデルにも限定モデル的な考え方を取り入れていると言えそうです。(→過去ブログ「パネライの製造年に関して」)
ROLEX(ロレックス)やPATEK PHILIPPE (パテックフィリップ)は、限定モデルが特に少ない印象のブランド。ですが、ロレックスのスポーツ系モデル(デイトナ、サブマリーナ、GMTマスターII 等々)や、パテックフィリップのノーチラス3針(Ref.5711/1A)などの人気モデルは、今やブティックでその姿を見ることも不可能な程の存在です。「流通する数」<「知名度&人気」 が極端な状態で、もはや限定のようなプレミアムな存在感、とも言えそうです。
「限定モデル」7選
リシャールミル:鮮やかな限定(40本)
今回ご紹介する中で一番高額なモデルがこちら。ハイテク素材を惜しみなく使用した超軽量で個性派な機械式時計を作る雲上ブランド「リシャールミル」。その高額さと極少量の生産で現代の成功者の時計とも語られるブランドです。
このモデルは、アメリカのプロゴルファー「バッバ ワトソン」選手がプレー中に着用していたトゥールビヨンモデルの弟分。鮮やかな「ジャパンブルー」に彩られた印象的な1本は、「日本限定40本」という希少な仕様です。
RICHARD MILLE(リシャールミル)
「バッバ ワトソン (中古) 」 ”JAPAN BLUE”
RM055 ケース49×42mm 手巻き セラミック/チタン(ラバーコーティング) 2016年保証書
ジャガー ルクルト:絶妙カラー(25本)
こちらは「日本限定25本」のジャガールクルト「マスター リザーブ ド マルシェ」1997年に発売されたモデルです。6時位置のスモールセコンド、10時位置のパワーリザーブ表示、2時位置の日付表示とすっきりとまとまった表示が印象的。そして、ブラウンのような、グレーのような、絶妙なブラックカラーの文字盤も魅力です。
JAEGER-LECOULTRE(ジャガールクルト)
「マスター リザーブ ド マルシェ 日本限定25本 (中古) 」
Ref.140.240.937B ケース径37mm 自動巻き ピンクゴールド
(こちらのモデルについては、ブログ記事「日本限定25本”マスターリザーブドマルシェ”」でご覧いただけます。)
ロマン ジェローム:限定の兄弟化(9本)
「ロマン ジェローム(現在はRJ)」は2004年設立の新鋭ブランドで、こちらは手巻き&スケルトン仕様に、ブラックの「スカル」がついた個性的なモデル。スカル部分の色違いが12色あり「各9本限定」という驚きの希少モデル。限定モデルを色違いで兄弟化するという方法もあるんですね。ケースにアポロ11号の素材が含有されていたり、過去にはスペースインベーダーがモチーフのモデルが存在するなど、独特なスタンスのモノづくりを行う時計ブランドです。
ROMAIN JEROME(RJ) ロマン・ジェローム
スカイラブ 48 スピードメタル ブラックスカル リミテッド(新品)
Ref.RJ.M.AU.030.21 ケース径48mm 手巻き ステンレス(PVD加工)
(こちらのモデルについては、ブログ記事「MOON DNA ” ロマン・ジェローム スカイラブ48スカル ”」でご覧いただけます。)
カルティエ:2トーンで洗練(300本)
こちらはカルティエの「ロトンド ドゥ カルティエ」。2015年に発表された「世界300本限定」モデルとなります。通常はシルバーの文字盤が、濃いブルーとシルバーのツートーンに彩られ、クロノグラフの2つ目や外周のミニッツサークルが引き立っている、エレガントでハンサムな色合いの1本。スーツの腕元からチラリ、というのもよさそうです。ベルトはネイビーカラーで、ケース素材はホワイトゴールドとなっています。
CARTIER(カルティエ)
ロトンド ドゥ カルティエ クロノグラフ 300本限定(中古)
Ref.W1556239 ケース径40mm 自動巻き ホワイトゴールド
オーデマピゲ:復刻&ブティック限定(本数不明)
1993年発表の「ロイヤルオーク オフショア クロノ」25周年記念復刻「ブティック限定」モデル。ジェラルド・ジェンタ氏デザインの名作「ロイヤルオーク」を、当時22歳だった「エマニュエル・ギョエ」氏が大胆にリデザイン。当時としては大きく分厚かったため、ジェンタ氏含め、社内では大変不評だったとか。そんな歴史も乗り越えて、今では大人気モデルとなりました。元になった「1stモデル」の趣きは限りなくそのままに、ムーブメントや細部の仕上げがアップデートされた1本です。
AUDEMARS PIGUET
「ロイヤルオーク オフショア クロノ 25周年復刻 限定(未使用品)」
Ref.26237ST.OO.1000ST.01 ケース径42mm 自動巻き ステンレス
オメガ:限定の限定(55組)
2018年に発表された「東京2020」限定モデル。手巻きのムーンウォッチをベースにした、青、黄、黒、緑、赤の5種類が各2020本リリースされたのですが、こちらはさらに5本をセットにした特別版となります。「55セット」の限定でケースの裏蓋は「XXXX/2020」でなく「XX/55」。特別ボックスに5本のレザーストラップも付属します。まさに、限定の中の限定といったところです。
OMEGA(オメガ)
スピードマスター 東京 2020 リミテッド エディションズ 5本セット(未使用)
ケース径42mm 手巻き サファイアガラス風防
カシオ:ミスターの2019年限定(200本)
エバンスでCASIOは初登場かも。カシオG-SHOCKの最上級ライン「MR-G」から「長嶋茂雄 終身名誉監督」の「200本限定」モデル。2019年11月に発売されました。DLC加工で黒をまとったチタン素材ケースに電波ソーラーのムーブメントを搭載します。裏蓋のサイン、「3」の入った文字盤や、ボックス類の付属品の隅々にまで特別感が溢れる1本です。「MR-G」とミスタージャイアンツを掛けているんですね。
CASIO(カシオ)
G-SHOCK MR-G 長嶋茂雄シグネチャーモデル 200本限定 (未使用品)
MRG-B1000NS-1AJR 52.2×46.2mm 電波ソーラー チタン(DLC加工)
「限定モデル」出会ってみてください
「限定モデル」。探してみると結構あるものです。ホームページや銀座エバンスの店舗で、特別な1本を見つけていただけますと幸いです。