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グリュエン『VERI THIN(ヴェリシン)』

2024-11-25 11:00

皆様こんにちは。いつもエバンスブログをご覧いただき、ありがとうございます。

本日はアンティーク時計より、グリュエン『VERI THIN(ヴェリシン)』をご紹介いたします。

グリュエン VERI THIN(ヴェリシン)

アンティーク時計とは

本来アンティークとは、製造から100年以上経ったものを指します。

しかしながら腕時計においては、腕時計の歴史自体が100年余りのため、一般的にクォーツ時計が誕生する1970年代以前に製造されたものが「アンティーク時計」と呼ばれています。

アンティーク時計には、歳月を経たからこその風合いがあり、近年の品や現行モデルにはない趣きが感じられます。また、ここ20~30年の高級腕時計ブームでの人気モデルのように(例えば、ロレックスのエクスプローラーやサブマリーナ、カルティエのタンクフランセーズなど) ‘’人と被る‘’ ということはなかなかありません。それもまたアンティーク時計の大きな魅力の一つだと思います。

とはいえ、年代を重ねた機械は故障が心配。。。不調も多いのでは。。。と思われる方もいらっしゃることでしょう。私も同感です! 個人的にわたくしアンティーク時計好きではありますが、やっぱり全く不安がないという訳ではありません。

でも実は、手巻や自動巻ムーブメントの機械式時計は、メンテナンス次第で半永久的に使い続けることができます。そのため、親から子へ、更には孫へと世代を超えて受け継がれ、また所有者を変えながら時代を超えて、アンティーク時計となった今も現存しているのです。

実際、私もアンティーク時計を数本所有しておりますが、意外と?どころか、不調を感じたことは特にありません。本当です! 着用前の時刻合わせも優しくゆっくりとゼンマイを巻き上げ、時計の調子を伺うような気持ちで取り扱っています。

丁寧な取り扱いで愛着も増し、長きに連れ添う良き相棒となっています。

グリュエン GRUEN

デザイン性の高いブランドとして知られている『グリュエン』ですが、かつてはアメリカ最大の時計ブランドの一つでした。しかしながら、既に幕を閉じ現存しておりません。そのため残っている資料が少く、世に出ている情報自体が曖昧な部分も多いブランドでもあります。

限られた情報をもとに概略をご案内させていただきます。

ディートリヒ・グリュエン氏はドイツで生まれ、スイスで時計製造を学び、その後、アメリカ合衆国オハイオ州の州都コロンバスに、自身の時計工房「グリュエンGRUEN」を創業したと言われています。

ムーブメントはスイスで製造し、グリュエン独自のデザインで文字盤やケースを製造、そしてケーシング(組み立て)行い、完成された腕時計を主にアメリカで販売していました。

当初は懐中時計中心の製作を行っていましたが、時代の流れに合わせ腕時計製作へ移行していきました。

1900年初頭から、今回ご紹介する薄型時計の『 VERI THIN(ヴェリシン)シリーズ』をはじめ、さまざまなデザイン・意匠の発表を続けました。

他社に先駆けて女性用の腕時計製作に着手、販売を開始し爆発的なヒットとなりました。グリュエンのレディースウォッチは、 現在のアンティーク市場でもしばしば出回り人気があります。

1935年には同社最大のヒットコレクション『カーベックス』を発売。腕にフィットするようにケース自体がカーブしたデザインは、画期的なアイデアとモダンなスタイルで『グリュエンのカーベックス』と名を馳せ、時計業界で不動の地位を築きました。

スイス製の時計が主流だった時代に、アメリカ製時計として成功を収められたのは、グリュエンの類稀なデザイン性や感性の素晴らしさによるものです。

また、カーベックスの卓越したデザインは、時代を超えて現在でも様々なブランドから販売されており、曲線を描いた時計のデザインは全て「カーベックスタイプ」と呼ばれています。着け心地も良く、当時から現在に至るまで人気の高いデザインです。

グリュエン家によって運営されていた時計ブランド『グリュエン』でしたが、1953年にグリュエンの全権を売却。その後グリュエン家が運営から離れると徐々に衰退の一途をたどり、 1970年代後半に 時計ブランド『グリュエン』は幕を閉じたと言われています。

VERI THIN(ヴェリシン)

薄型モデルとして『 Very Thin = 非常に薄い(超薄型) 』と名付けられたグリュエンを代表するモデルです。

1950年~1960年代製造と思わる手巻きの時計です。使う前に手巻きでゼンマイを優しく巻いてください。丁寧な巻上げ操作をすることで一段と愛着が湧いてきます。

文字盤インデックスと秒針は後年、再仕上げがされているようです。

丸形フェイスに丸みを帯びたアラビア数字が、絶妙な大きさでバランス良く配置され、全体に柔らかな印象を与えてくれます。

時分針は伝統的なシリンジ針。 先端が細くなっているデザインで、アンティーク時計ながら視認性もよく、時計としての機能美が感じられます。

秒針は文字盤の風合いに自然と馴染むような朱色で、雰囲気よく再仕上されています。

まとめ

グリュエンの時計は、そのデザイン性の高さからアンティーク市場において安定した人気があります。 また、価格帯が比較的リーズナブルなことも大きな魅力でお薦めしたいポイントです。

現存しているブランドであれば、過去の人気モデル復刻版が発売されることもありますが、アンティーク時計のグリュエンは既に終了しています。そのため復刻版も新たなモデルも製作されることはありません。

出会いは一期一会。。。アンティーク時計は唯一無二。。。

ご興味を持たれた方は、ぜひ銀座エバンスにご来店ください。どうぞ手に取って、その風合い、愛くるしい趣きを感じていただきたいと思います。

グリュエン VERI THIN(ヴェリシン) 商品詳細はこちらからご覧いたたけます。





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