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ジャガールクルト「AMVOX2 アストンマーティン」

2024-10-29 11:00

こんにちは、銀座エバンスの稲田です。
本日はジャガールクルトから「AMVOX2 クロノグラフ アストンマーティン・レーシング限定」のご案内です。

アストンマーティンとは

アストンマーティンとは、1913年創業のイギリスの会社で、ライオネル・マーティンとロバート・バムフォードによって設立されました。創業当時の名前は「バムフォード&マーティン」、現在の正式名称は「アストンマーティン・ラゴンダ」です。同社は世界で唯一の独立系高級車グループで、日本のシェア数は年々増えており、昨年2023年にはこれまでで最もパワフルでラグジュアリーなSUV「DBX707」が特に人気を博し、今年2024年にはペニンシュラ東京にラグジュアリーなショールームをオープン。日本最大級のディーラーは青山にあり、私自身も昔からその名は聞いたことがあるので憧れている一人として一度は訪れてみたいです。

日本ではアストンマーチンとも呼ばれており、1963年には映画007でジェームズ・ボンドの「ボンドカー」(DB5)に採用され、その後の続編でもその圧倒的存在感は一際目を惹き、世界中の愛好家の憧れのスポーツカーとして有名になりました。2020年には世界限定25台で「DB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーション」を復刻モデルとして発表、気になるそのお値段はなんと、日本円で3億8000万円だそうです…!現行はDBシリーズの他、ヴァンキッシュ、ヴァルハラ、ヴァルキリーなど、溜め息が出るほど美しい車を製作しています。

イギリス中心部に位置するゲイドンに本社を構え、それまではゲイドンで設計・製造を行っていましたが、ゲイドンからおよそ30分程離れたシルバーストーン・サーキットの近くに新ファクトリー(工場)が昨年2023年に完成。この年はアストンマーティン創業110周年記念で、シルバーストーン・サーキットでは110年を象徴する、110台もの歴代アストンマーティンによるスペシャルラップが行われました。現存する最古のアストンマーティン「A3」、レーシングカーと言えば思い浮かべる「DB3」、先述したボンドカー「DB5」など、歴史に残るスペシャルパレードです。

世界55ヶ国に顧客を持ち、最先端の技術でこれまでの伝説的な数々のモデルの世界観を踏襲し、一目でアストンマーティンだと分かるアイコニックな高級車を製造しています。熟練の技術者による手作業での製造をしているため、超少数生産体制(この110年間でわずか11万台、トヨタが一年間で約1000万台なのに対して、アストンマーティンは単純計算で年間たったの1000台…!)で我々を魅了してやまない、それがアストンマーティンという車なのです。

いろいろなアストンマーティン

1914年、初号機の「Coal Scuttle」が誕生。全体が細長く、大きな車輪のレーシングカーです。1919年にはレースデビューを果たし、タイムトライアルでは優勝を飾りました。1920年に入ると、「TT1」・「TT2」というレーシングカーを製作し、いくつかのヨーロッパグランプリで上位の成績を残しています。

1923年には「Razor Blade」というこれまでで最も細身のマシンを製作、この美しい銀色のマシンで数々の記録を樹立したほか、同社が初めて市販に至った「1916」の先駆モデルとなりました。アストンマーティンが製作するエンジンはすべて自社製なのですが、これは他の様々なメーカーからしたら大変驚異的なことでした。

1925年、最大のサポーターでありレーシングドライバーでもあった”ルイス・ズボロフスキー伯爵”が、レース中に事故により命を落としてしまいます。このことにより「バムフォード&マーティン社」は一度倒産してしまうのです。しかし幸運なことに、彼らの作る車が好きな資産家はたくさんいて、1927年にはイタリアの資産家ベルテッリが新しいオーナーとなり、「アストン・マーティン」が新しい社名となりました。

1928年には再びサーキットへ焦点を当て、「ツアラー」、「スポーツ」など2~4シーターの高品質スポーツカーの生産に注力。1934年には「Ulster」という最高速度を持つレーシングカーを製作、1934年には「Atom」というこれまでにないコンセプト(コンパクト・スピード・パワフル)で丸っこいフォルムの車を製作しています。

1936年、ベルテッリからアーサー・サザーランドに経営者が変わり、1947年、経営不振からまた別の裕福な実業家”デイビット・ブラウン”が会社を買収。実はオーナーが変わる度、同社の”ロゴ”は少しずつ変化していて、私達の良く知る広がった翼の中に「ASTON MARTIN」のロゴがあるのですが、この時はその上に「DAVID BROWN」という名を冠したロゴとなりました。そして同じ年に「ラゴンダ」というイギリスの車会社も買収。有名な「DBシリーズ」は、この時のオーナー、デイビット・ブラウンの頭文字から名付けられたんですね。1948年、「DB1」の登場です。このDBシリーズの大活躍により、10年以上様々なレースで優勝を勝ち取り、愛好家の憧れ車となったのです。コンバーチブルやクーペなど、DB派生モデルがいろいろ誕生したのも頷けますね。

1963年、先述した映画「007ゴールドフィンガー」に採用されたことで世界中にその名が知れ渡り、DB5がアストンマーティンのアイコンとなりました。その後、イギリス国王、女王を含め王室にまで愛されみんなが夢中になったのがこのDBという車です。アストン・マーティンの黄金期を築いた偉人、デイビット・ブラウン。彼がいなければ現在のアストンマーティンはなかったと言われる程、重要な人物なんですよ。

デイビット・ブラウン退陣後の1972年、DBモデルに注力し、1977年にはイタリアとのコラボレーションカー「Vantage」を発表、1988年には大型スポーツカー「Virage」、1990年代には再びDBモデルに注力、2001年、エレガンススポーツカー「Vanquish」、2000年以降はVantageやDB、Vanquishを更に洗練させた素晴らしい車達を次々発表、いずれも少数生産でした。

2021年にはF1サーキット”フォーミュラ1”に復帰、同年に発表した「Valhalla」はフルカーボンの次世代スーパーカーで、2022年「Valkyrie」というフォーミュラ1のレースカーに限りなく近いフォルムながら、公道で走れるという夢のようなスーパーカーを発表。驚くのはその速さだけでなく、価格なんです、まさかの約5億円です…!まさに、世界最高峰のステータスを手に入れることができるブランド、それがアストンマーティンなんです。

AMVOXとは

1920年代のアストンマーティンのダッシュボードに搭載された”速度計”にインスピレーションを得て2004年から製作されたモデルです。AM…ASTON MARTIN、VOX…声という意味のラテン語で、ジャガールクルトにはアラーム機能の付いたMemovoxというモデルがあるのですが(下写真)アラーム機能の付いたアストンマーティンコラボモデルもあるので”AMVOX”と名付けたのだと考えます。

アストンマーティンコラボの腕時計は、今回ご紹介するジャガールクルト製以外にもタグホイヤーとジラールペルゴが製作しており、特にジラールペルゴの「ロレアートアブソリュートクロノグラフ”アストンマーティンF1エディション”」の”アストンマーティンレーシンググリーン”というモデルがとても美しく、印象的です。

2014年にはアストンマーティン「DB9」のドアの開閉ができる画期的なシステムの腕時計「AMVOX2”TRANSPONDER”」も発表されました。こちらはDB9オーナーだけが購入できる激レアアイテムです。その後、全車種対応のモデルも発表され、9時位置の”OPEN”を押すとドアが開き、3時位置の”CLOSE”で閉まる。ヘッドライトも点くそうです!まさに007のボンドウォッチみたいですよね。

ちなみに12時位置を押すとクロノグラフがスタートし、6時位置はリセットです。これはジャガー・ルクルトが特許を取得している”バーティカル・トリガーシステム”で、今回ご紹介するAMVOXにも搭載されています。リューズひとつでクロノグラフの操作ができる”ワンプッシュクロノ”もすごいなあと思うのですが、まさかガラスを押すことで操作ができる革新的な機構を考え付くなんて、卓越した技術を持つジャガールクルトだからこそですよね。

AMVOXは1~7まで作られており、アラーム機能付きはAMVOX1のみ、AMVOX2はクロノグラフ、AMVOX3はトゥールビヨン、4と6は作られておらず、AMVOX5はワールドクロノグラフ、AMVOX7はクロノグラフといったラインナップです。製造は2016年までで、というのもジャガールクルトとの提携が終了したためであり、同年アストンマーティンはリシャールミルとのパートナーシップを締結しましたが、こちらも終了しており、現在では前述した”ジラールペルゴ”がパートナーです。

ドライビンググローブをはめたままでクロノグラフの操作ができる画期的な機能、アストンマーティンのガソリンキャップを模したリューズ、チェッカーフラッグを思わせるインダイヤル、一目で分かる1959年のルマンレース優勝から50周年記念モデルサイン、小さな空間にぎゅっと凝縮された素晴らしい作品、それが今回ご紹介したAMVOX2クロノグラフ アストンマーティン・レーシング限定なのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。アストンマーティンについて触れる機会が今までなかったので、調べているうちにどんどんその魅力に引き込まれて行き、夢中になって記事を書きました。

超一流の二つのブランドのコラボモデルはファンにはたまらないですよね。世界限定100本のうちの一本がここエバンスにあることが奇跡だと思います。

この記事をご覧になって気になられた方は是非、私までご連絡下さい。
みなさまのご来店、心よりお待ち申し上げております。

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