今回のエバンスブログは、当社アフターサービス部で整備中の中古腕時計の中から、5本を選んで一足早くご紹介します。商品ページや写真の撮影は、整備終了後となりますので、本ブログでは、同型の時計や類似モデルの写真を掲載しています。
中古腕時計の整備について
お買取りした時計は、メンテナンスをおこなって店頭に登場します。この項ではその作業の概要をご紹介。時計の状態に応じて、作業の組み合わせは異なってきます。また、特殊な構造の時計など、メーカーでメンテナンスする場合もあります。
1、点検 | ルーペで見たり、操作感を確かめて、時計の状態を把握します。 |
2、分解 | 裏蓋を開け、ケースと機械を分解します。オーバーホール(以下OH)の場合はムーブメントを部品単位まで分解します。 |
3、研磨 | ケースやブレスレットを慎重に磨きます。雰囲気のある古い時代の時計など、あえて磨かない場合があります。 |
4、洗浄 | 分解されたケースやブレスレット(OHの場合は部品も)を、専用の機械で洗浄し、汚れを落とします。 |
5、組み立て | 分解したパーツを組み立てます。 |
6、調整 | (OHの場合)ゼンマイなど消耗した部品は交換します。注油しながら部品を組み立て、精度を測りながら調整します。 |
まもなく登場 ユーズド5本
ここからは整備中の中古ウォッチ5本をご紹介していきます。
1、PANERAI「小さめGMTモデル」
(同じPAM00184でかつて入荷した中古ウォッチの写真。 ■2つのリューズそれぞれにGMTの文字とパネライのOPマークが入る ■シースルーバック仕様。後ろ姿もクラシカル)
まずはPANERAI(パネライ)から。リューズガードがなくクラシカルな「ラジオミール」のGMTモデル。同社としては少し小さめとなる42mmケースに、2つのリューズを備えた、現行のGMTモデルとは異なる個性的な外観の1本。GMT針の操作は2時位置のリューズで行います。そして、このモデルはジャガー ルクルトの自動巻きCal.897ベースのムーブメントを搭載、シースルーバックから中を見れるというのも魅力です。
PANERAI(パネライ) ラジオミールGMT PAM00184
G品番(2004年製造品) →商品ページへ
2、OMEGA「多機能なスピマス」
(かつて入荷した同型Ref.3520.50の中古ウォッチの写真。 ■37mmサイズのケースに多機能が凝縮、9時位置インダイアルは24時間表示と秒針 ■【A】マーク40コスモスと【B】元となったスピードマスター デイデイト(3521.30)の比較
オメガ スピードマスター40周年を記念して1997年にリリースされた「マーク40」シリーズの「コスモス」。以前エバンスブログでご紹介した「AM/PM」の兄弟モデルとなります。小さめの37mmケースにクロノグラフ(秒針、30分計、12時間計)、月・日・曜日表示、24時間針、秒針を備えた多機能な自動巻きモデルです。スペースシャトルを模したという日付針も特徴的で、ベストセラーである手巻きのプロフェッショナル ムーンウォッチとはひと味違う趣きの1本となっています。
OMEGA(オメガ) スピードマスター デイデイト マーク40 コスモス Ref.3520.50
1990年代後半頃品 37mm径 →商品ページへ
3、OMEGA「ゴルフモデル」
(かつて入荷した同型の新品ウォッチの写真。 ■縦縞にさりげないグリーンのアクセントカラー ■シースルーバックからコーアクシャルムーブメントCal.8500が見える)
こちらは「ゴルフ」の名を持つシーマスター。特に限定モデルではないようで、なぜシーマスターなのか?はっきりしないのですが、ゴルフ競技をイメージしたモデルだそう。最近、グリーン文字盤のモデルも増えてきているようですし、黒いダイアルにグリーンの差し色がさりげなく新鮮な印象です。現行シーマスターにも「ゴルフ」モデルは存在するのですが、横縞&6時位置の日付なので、縦縞派ならこちらのゴルフもいいのでは。
OMEGA(オメガ) シーマスター アクアテラ ゴルフ Ref.231.10.42.21.01.004
2014年保証書 (→商品ページへ)
※追記)写真の時計は231.10.42.21.01.001です。今回は末尾.004で「グリーン秒針」、「日付窓のフチが黒」のものです。
4、ROLEX「懐かしベゼルのエアキング」
(同型の写真がないため類似の時計を2種類ご紹介します。 ■A,Bは今回のエアキングと同じ型番Ref.114210の色違い、かつて入荷した新品の写真 ■Cは同じ今回のエアキングと同じ34mmサイズで青369文字盤のオイスター パーペチュアル Ref.114200の中古ウォッチ(ベゼルが異なりAirKing文字が入らないタイプ))
ロレックスからは、生産期間が短いエクスプローラーII(Ref.16550)、回転ベゼルのターノグラフ(Ref.116264)も注目していたのですが、ともに買取ブログで紹介済みで商談予定があるため、今回は「エアキング」をご紹介します。
女性の方にもおすすめの34mm小さめメンズサイズで、日付表示がないので操作がシンプル。そして、「エンジンターンド」と呼ばれる刻み入りベゼルは、バブルバックなどのヴィンテージの時計を思わせるレトロな雰囲気があります。ブルー文字盤にエクスプローラーIのような3,6,9アラビア数字というのもいいですね。
ROLEX(ロレックス) オイスターパーペチュアル エアキング Ref.114210
青369アラビア文字盤にエンジンターンドベゼル、Z番(2006年頃製造品) →商品ページへ
5、HEUER「1970年代のモナコ」
(こちらは整備前の現物のスナップです。 ■ブルーにグレーのインダイアル、10時位置のスモールセコンドに9時サイドのリューズと個性的 ■裏側のフォルムも独特、リューズにはHEUERロゴ)
最後は、HEUER(ホイヤー)からアンティークのモナコ。こちらはセカンドモデルとなります。「モナコ」は、1969年に世界初の「角型ケースの自動巻きクロノグラフ」として登場した歴史的なモデルです。
こちらは、初代モデルの「クロノマチック(キャリバー11)」ムーブメントを改良したキャリバー15を搭載。10時位置に秒針がある独特な配置で、なかなか見かけない希少なモデルとなります。ちなみに9時位置のリューズは「自動巻きになり巻き上げる必要がなくなった」ことをアピールする意味もあったのだとか。
HEUER(ホイヤー) モナコ Ref.1533
1970年代前半品 →商品ページへ
買取ブログも見逃せません
まもなく登場予定の中古腕時計5本、いかがだったでしょうか。昔、よく見たような時計や仕様でも、なぜか中古では意外と出会えなかったりするもの。見つけた時がチャンスなのかもしれません。整備済みの中古腕時計は当社オンラインショップに随時アップしていますので、ご覧になってみてください。また、注目の時計は「買取品紹介ブログ」で紹介していますので、そちらもどうぞ。