「OMEGA~スピードマスター・プロフェッショナル 3573.50 ~現行通常モデルとの比較」2018年3月6日
2018-03-06 12:26
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銀座エバンスの飯田です。
2018年も3月に入り、暖かい春が目の前です。
そろそろ、外に出てアクティブに過ごすことが出来そうですね。
さて今回のご紹介はオメガのスピードマスター・プロフェッショナルです。
以前も同モデル、リファレンス違いのブラウン文字盤をご紹介させて頂き、その際には月との結びつきなどを簡単にご紹介させていただきました。
今回は当店にUSEDのRef.3573.50が入荷致しましたので、現行モデルRef.311.30.42.30.01.005と一緒に見比べてみたいと思います。
非常に有名なモデルですので、時計ファンならずとも目にしたことも多いモデルではないでしょうか。通称「ムーンウォッチ」NASAのアポロ計画で月へと同行する栄誉を与えられた時計です。現行モデルでは正式に「スピードマスター・ムーンウォッチ」と表記されています。
それでは二点並べてみましょう。
正直、ぱっと見は似ている…..
と、いうよりもそっくりで分からない方も多いのではないでしょうか。
二本のスペックを見ながら解説していきます。
両リファレンス共に手巻きムーブメントを搭載したモデルです。手巻きなんて面倒、と思う方も多くいると思いますが、オメガのムーンウォッチには「手巻き巻き上げ機能」が必須なのです。今でこそ機械式時計は自動巻き式が主流になっている中、同モデルは手巻き式に拘り、ラインナップを続けています。
なぜ自動巻きではないのか、それには二つのポイントがあります。
一つ目はオメガが「月に行ったモデルの意匠を受け継いでいるということ」
実際オメガはこのようにアナウンスをしています。「スピードマスター・プロフェッショナルはアイデンティティとして継続していく」と。つまり、オメガの「宇宙へ行った」という歴史的偉業を、後世まで残すという意味もこめられているのではないかと思います。
そして二つ目、当時NASAではジェミニ計画の宇宙飛行士に装備させる時計を探していましたが、NASAの規格では手巻き機能が必須でした。
というのも、無重力下では自動巻きの振り子が不完全な動きをするため手巻きをできる機能が付いていなければならなかった為です。
では、この手巻き式のムーブメントですが、二点を比べると微妙に違いがあるのです。
現行品はCal.1861なのに対し、Ref.3573.50はCal.1863というムーブメントで、キャリバーナンバーだけ見ると僅かな違いです。その違いを説明するには時計の裏側を見なければなりません。
まず現行モデルのRef.311.30.42.30.01.005の裏側↓
そして、生産終了品のRef.3573.50の裏側↓
Ref.3573.50の裏蓋はシースルーバックになっており、ムーブメントが見えますね。
そう、ここがポイントなのです。
Ref.3573.50のCal.1863はシースルーバックから眺めることを考え、「見せるため」にバージョンアップされているムーブメントなのです。
通常モデルに使用されているCal.1861は見えませんが、それよりも美しい仕上がりになっており、所有者の満足度を高めるポイントになっています。このCal.1863ですが、現行モデルのRef.311.30.42.30.01.006にも搭載されており、こちらもシースルーバックを採用しています。見せるために、素材や仕上げを変更しているというのですから、オメガの拘りが垣間見えます。
それでは上の二点をまとめてみましょう。
現行のRef.311.30.42.30.01.005は、忠実に月へ降り立った際の仕様を再現しており、先ほどから紹介のCal.1861は月面着陸時とほぼ同様の機構を備えたキャリバーなのです。また風防はプラスチック素材を使用しており、宇宙で破損した場合でも飛び散らないように考えられています。
また、付属品も豪華になっており、NATOストラップや、ベルクロストラップ、ベルト交換用ツール、ルーペなどが付いており非常に充実しています。(↓写真)
Ref.3573.50は、風防はサファイアクリスタルを使用しており、シースルーバックを採用。着けることはもちろん、見て楽しめる時計です。
どちらにも良さがあります。
月面着陸時のNASA公式装備品を再現しているモデルにするか、機械も見て楽しみたいモデルにするか、実際お手に取って確かめて頂きたいですね。
皆様はどちらがお好きでしょうか。