「ドレスウォッチ一つの解釈~ ランゲ&ゾーネ グランドランゲ1 Ref.115.025」2011年12月16日
2011-12-16 14:03
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こんにちは福永です。
本日はランゲ&ゾーネのグランドランゲ1(USED)Ref.115.025をご紹介いたします。
ランゲ&ゾーネは19世紀中頃まで歴史を辿ることが出来きる老舗ブランドですが、その一方でドイツという国の情勢に翻弄され東西分裂の際に一度は休眠状態となってしまいました。
その後50年余の時が経ちドイツ統一の折に、ランゲ&ゾーネは見事復活を果たし時計史の表舞台に姿を表す事となりました。
その新生ランゲ&ゾーネの初代モデルがランゲ1であり、今もなお色褪せることの無い魅力溢れるモデルと言えます。
今回ご紹介のグランドランゲ1は、同社の代表作ランゲ1をスケールアップしたモデルです。
シルバーで作られたダイヤルにはランゲ1の特徴とも言うべきオフセンターに配された時分針、大きく取られた秒針、そしてアウトサイズデイトを右上部に配する設計は、時計の表情に類稀なバランスを与え、他の追随を許さない完璧なレイアウトと言えます。
また、ダイヤル右側外周に配されたドットは、3日間に及ぶロングパワーリザーブの残量を確認する助けとなります。
裏蓋から覗くCal.901.2は3/4プレートと呼ばれるムーブメントの4分の3を覆う設計が特徴であり、華奢な印象のスイス時計とは異なる、いかにもドイツ的な堅牢な印象を受けます。
また、ムーブメントは安定性だけを求めたものではなく、子細に見て行くと各部に緻密な装飾が施されている事に気付かされます。
ランゲはムーブメントに完璧な精度性能を与えると共に、愛好家の審美眼を満足させうる完璧な装飾を施す事でも知られています。その両立を実現するために一度組み上げたムーブメントは精度検査をした後分解して、再び装飾を加えながら仕上げていく2度組という行程を経て完成されます。
一つの製品に対して他に類を見ない程、手間と時間を惜しまず生産されるランゲの良心を感じ取って頂けるはずです。
美しく磨き上げられた肉厚な尾錠は装着感に優れ、フェイスのカッチリとした雰囲気と対をなし手首の内側にも引き締まった印象を与えてくれます。
プラチナの持つ涼しげな輝きがコーディネート全体に高級感を与え、時計自体にもボリューム感がありますので、ドレスダウンした装いにも自然と馴染んでくれます。
パテック等のスイス勢とは一味異なる、ドイツ時計ならではの高級時計の一つの答え。
是非、その作り込みの妙に引き込まれてください。