グランドセイコーの製造年の確認方法について
2024-05-20 11:00
エバンス オンラインショップ担当の大貫です。
今回は、セイコーの製造年判別方法をご案内したいと思います。
日本人にとっては馴染み深い国産ブランド『セイコー』。訪日外国人には以前よりセイコーは人気でしたが、昨今では特にグランドセイコーの引き合いが目を引きます。
ジャパン・クオリティの最高級ウォッチであるグラインドセイコー。円安が進む為替の状況のなか、展開する価格帯も幅もあり、予算に合わせて購入しやすいことも人気の理由となっています。
なお弊社エバンスでは、中古商品がメインとなりますが、中古市場も活発に動いています。その中でよく聞かれるのが「製造年」。特に海外のお客様からのお問い合わせが多い内容です。
保証書が付属していれば、販売日が確認できますので、どれくらい前のモデルかが確認できますが、ユーズド品では、付属品が全く無いものありますので、購入のを検討する際は、気になる点ではないでしょうか。
年代を判断するポイントはいくつかありますが、今回は2つのバターンをご案内したいと思います。
文字盤で確認
グランドセイコーの場合、文字盤の仕様によって大まかな年代確認が可能です。グランドセイコーの文字盤は『新旧』があり、ある年代で仕様が切り替わります。
1960年にスタートしたグランドセイコーは、セイコーの中の最上級コレクションとして存在していましたので、文字盤には「SEIKO」と「GS」(GRAND SEIKO)のロゴ2つが表示されていました。
その後、グランドセイコーはグローバル化を進めるため、2017年に独立ブランド化。それ以降、文字盤のブランドロゴは「GS」のみ表示となりましたので、2017年を境に新旧のロゴが存在します。
新旧ロゴの好みはあるかと思いますが、簡単に年代を判別できるポイントです。
シリアルナンバーから製造年を確認
セイコーの場合、ロレックスやチューダーなどと同様に、シリアル番号から製造年を知ることができます。セイコーでは、下記の画像の様に裏蓋に刻印がされています。
シリアル番号には、画像の様に数字の「0(ゼロ)」とアルファベットの「O(オー)」が混在しますが、セイコーの場合はある法則があり、二桁目に「0(ゼロ)」は存在しません。
シリアル番号の1桁目:製造年
まず、1桁目の数字では【西暦の下一桁】を表しています。上記のシリアルナンバー「1O0116」では「1」となるため、1981年、1991年、2001年、2011年、2021年のいずれかとなります。大雑把となりますが、セイコーの場合はモデルチェンジのスパンも5~10年前後となる為、個体の型番とシリアル番号が分かれば、製造年を把握することができます。
なお、時計には「型番」の刻印がありません。そのためシリアル番号とともに刻印される『側型式番号』から判断することも可能です。画像に記載される【9F85-0AD0】が側型式番号となります。前半分がキャリバー番号となっており、ムーブメントの発表年から推察。例えば、キャリバー【9F85】は、調べると2020年に発表されていますので、画像の個体の場合、2021年製造ということが分かります。
シリアル番号の2桁目:製造月
2桁目は、【製造月】。1~9の数字に加え「O」、「N」、「D」のアルファベットが記されます。画像の個体では、二桁目がアルファベットの「O(オー)」となっているため、10月製造というとこが分かります。
二桁目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | O | N | D |
該当月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
シリアル番号の3桁目以降:固有番号
シリアル番号の3桁目以降はそれぞれの個体の固有番号となっている様です。1桁目と2桁目は、他の個体と共通になることもありますが、3桁目以降を含めた番号は重なることがありません。
一例を解説
下記モデルの場合、調べると「9F86」は2018年発表のキャリバーであることから、こちらの個体は2019年9月製造とわかります。
限定モデルでは異なる表示
基本的にシリアルナンバーが分かれば、おおよその製造年が分かる仕組みとなっていますが、例外として、限定モデルがあげられます。限定モデルのシリアルナンバーは、〇〇〇〇/〇〇〇〇と刻印。限定本数が記載されます。
〇〇周年記念や〇〇年限定など、限定モデルの場合は、基本的に発表年が決まっているため、一般的なシリアル番号が存在しません。
なお一部の限定モデル、例えばショップ限定・地域限定などでは上記に当てはまらず、一般的なシリアルナンバーとなるケースもありますのでご注意ください。
まとめ
型番やシリアル番号、文字盤の仕様、ムーブメントの発表年など総合的に判断することで製造年をある程度把握(絶対ではありません!)できます。しかしながら、今回ご紹介した製造年判別方法は セイコーの公式ではありませんので、参考程度にご記憶いただければ幸いです。