機械好きの方にお勧めのシースルーバック
2024-02-20 11:00
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本日は、ゼニス社の「エル・プリメロ グランドデイト フルオープン」をご案内させて頂きます。
ゼニス
「ゼニス」は、1865年に創立されたスイスの老舗時計メーカーです。当時主流だった時計製造分業制から、技術者を一か所に集めて同じ工房で時計製造を行う自社一貫生産へ邁進し、大きな成功を掴み取った名門マニュファクチュールですね。現在では、巨大ファッショングループである「LVMH」の傘下となり、世界中へゼニスの伝統的な腕時計を供給し続けています。
エル・プリメロ グランドデイト フルオープン
「エル・プリメロ グランドデイト フルオープン」の発表は2017年になります。
元々、「エル・プリメロ」のテンプの動きをシースルーバックからだけではなく、ケース表側からも楽しむ為に、ダイヤルの一部をスケルトン化した「クロノマスターオープン」という大人気シリーズがありますが、そこから派生したフルオープンというユニークなシリーズですね。
「エル・プリメロ」とは、1969年に発表された自動巻きクロノグラフムーブメントです。大きな特徴は、重ね合わせではなく専用設計の一体型自動巻きクロノグラフムーブメントだったことや、高精度を維持しながら1/10秒単位での計測を可能とする、毎時36000振動というハイビートを実現したことですね。
この時期、各メーカーは心血を注いで自動巻きクロノグラフの開発を行ないましたが、他社の追随を許さない圧倒的な完成度によって、半世紀以上経過した現在でも傑作との呼び声が高いムーブメントとなっています。
そして、本日ご案内しているモデルは、その「エル・プリメロ」の動きを両側から楽しむことが出来ます。更には、文字盤2時側にビッグデイトが配置されていたり、6時側にムーンフェイズとナイト&デイが一箇所にまとめていたりと、実にゼニスらしい技術の粋が詰まったモデルとなっていますので、機械好きの方には是非お勧めしたい1本ですね。
ちなみに、エル・プリメロは1988年から2000年までデイトナ用としてロレックスへ供給されていたことは有名ですが、実は過去に存続が危ぶまれた時期がありました。70年代のクォーツショックですね。機械式時計より精度が良く、安価な電池式時計の登場で、 数々の機械式メーカーが大打撃を受けます。
ゼニスも、当時の親会社から製造の中止を言い渡されますが、時計師のシャルル・ベルモ氏によって、エル・プリメロの設計図や工具は、密かに工房の屋根裏部屋へ保管されて、廃棄処分を免れることになりました。彼の判断が無ければが、ゼニス存続の危機だったかもしれません。後日の復興に大きく貢献したシャルル・ベルモ氏には、今も惜しみない称賛が送られています。
その他のシースルーバック
こちらは、「グランドセイコー」のスプリングドライブ 搭載モデルです。
スプリングドライブとは、ゼンマイを動力源としながら、クォーツ式時計と同様の調速機構となります。
シースルーバックから、そのセイコー独自のハイブリット型機構を眺められます。
こちらは、スイスの老舗マニュファクチュール「オーデマ・ピゲ」の「ロイヤルオーク オフショアダイバー」です。
オーデマ・ピゲの誇るダイバーズウォッチになります。
ローターには、オーデマ家とピゲ家の家紋が刻印されています。
まとめ
いかがでしょうか。シースルーバックは、機械好きな方にはたまらない仕様だと思いますね。近いスタイルで、「スケルトン」という骨組みだけで構成されたデザインもございますが、そちらは別の機会にご案内させていただきます。