知れば面白い“ざんねんな”時計の進化 vol.1
2020-10-02 11:00
エバンス オンラインショップ担当の大貫です。
最近「ざんねんな生き物」シリーズの本をよく見かけます。内容も面白く、子供向けながら私もハマっていますが、私どもが取り扱っている“時計”にも似たような 「ざんねん」な進化を見ることが出来ますので、思いついたことをご紹介します。 なお、個人的な意見としてお読みいただければと存じます。
ロレックス(ROLEX)の社名
高級時計ブランドの名称は何かしらの意味を持っています。オメガは、“究極”を意味する創業当時の懐中時計用ムーブメント名「OMEGA」から。パテックフィリップやオーデマ・ピゲ、パネライ、カルティエなど創業者の名前をそのままブランド名にするところも多いと思います。またウブロは「船窓」、ゼニスは「頂点」を意味しており、コンセプトが社名のところもありますね。
しかし、人気ブランドのロレックスに関しては、創業者のハンス・ウィルスドルフが馬車に乗っていた時に『ひらめいた』そうです。
ロレックスの公式サイトには
“彼は後に「アルファベットのあらゆる組み合わせを試し、数百の候補が挙がったが、これぞというものがなかった。ある朝、ロンドンのシティで乗合馬車の2階席に座り、チープサイドを走行している時、天啓のように『Rolex』という名前がひらめいた」と語った。”
https://www.rolex.com/ja/about-rolex-watches/1905-1919.html
とあります。特に意味はない5文字の様ですが、今では誰もが知るブランドとなっているのは面白いですね。
腕時計の価値
腕時計というアイテムは、実は結構特殊な価値観を持っています。他の製品で例えると、カメラでは一部でフィルムカメラは残るものの、ほとんどがデジタルカメラが普及し、敢えてフィルムカメラに手を伸ばす人は希です。 時計の場合、いまだアナログな機械式時計が人気で高額です。
クォーツ時計の精度や機能性は言うまでもなく、ソーラー発電やGPS、スマートウォッチ、電波時計など、年々ハイテク化。性能で言えば圧倒的にクォーツ時計が優れるのに、不便な機械式時計が高額で売買され、定期的なメンテナンス代だけで、そこそこの時計が変えてしまうほどランニングコストも割高なのですが、人気は衰えません。
腕時計に関しては機能よりも『ステータス性』や『趣味性』の要因が大きいのが特徴と言えます。
タキメーター付きクロノグラフ
クロノグラフウォッチのほとんどについている「タキメーター」。クロノグラフはもともとモータースポーツ用に開発された歴史があり、タキメーターは「速度」を測るためのスケール(目盛り)です。
スタート時にクロノグラフをスタート。1kmに到達した際にストップすると、その区間の平均速度が分かるという仕組みなのですが、この機能を使いこなせる人を見たことはありません。機械式クロノグラフ時計では複雑な機構のため、シンプルな時計に比べ高額となりますが、各ブランドともに人気モデル。いまではデザインとして楽しみます。
トゥールビヨン
時計の心臓部分では、1秒間に5~10回の往復運動を行うパーツ「テンプ」というものがあります。時計の姿勢によって、繊細なテンプが重力の影響を受け、精度が安定しないことが当時は普通でした。その重力による誤差を修正し精度を均一に保つ装置が “トゥールビヨン”。
当時は懐中時計での設定ではありますが、腕時計になってもそのコンセプトは変わりません。複雑な機構を腕時計サイズに小型化するのは高度な技術が必要となります。超絶技巧の粋を尽くした機能のトゥールビヨンウォッチは、1000万円を超えることが普通です。
なんだかすごい精度が出そうですが、実はロレックスやオメガなど、多くのブランドが採用する「クロノメーター」規格の方が精度が優れています。
金とプラチナの価値の逆転現象
素材自体の価値としては【ゴールド > プラチナ】ですが、時計に限らず製品化すると【ゴールド < プラチナ】となります。これはプラチナの加工が困難なために製造コストが高く、製品価格に転嫁されている為です。
後々、“素材の資産”として考えるならプラチナよりもゴールドがお勧めと言えますが、プラチナは貴金属の中で耐蝕性が最も高い素材で、酸に強く、変色や変質しません。また耐久性にも優れ、アレルギー発生率も非常に低い安定した材質のため、素材の性質としては優秀です。
各社の最高峰として作られるため、ステータス性は言うまでもありません。
アラビア数字とは?
時計の文字盤のインデックス。様々な種類があり、それぞれ趣きが違いますね。シンプルな“バー”やスポーティな“ドット”。またクラシカルな“ローマ数字”などありますが、“アラビア数字”とはなんなのか。当たり前すぎて疑問を持たれる方は少ないと思いますが、アラビア語の数字ではありません。
アラビア語とアラビア数字は別物だということは、ご存じのことと思います。
“アラビア数字”は、いわゆる算用数字や洋数字とも呼ばれますが、実は起源は『インド』。インドからアラビアを経由してヨーロッパに普及したことで、アラビア数字 (Arabic numerals) と呼ばれるようになりました。
インド数字でも良さそうですが、一度定着してしまうと変更は難しそうです。
まとめ
簡単にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。今後も思いついたものをご案内していきたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。