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グランドセイコー強化耐磁モデルの魅力

2025-10-21 11:00

ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。

高級時計の世界と言えばスイスやドイツのブランドが、その多くを占める状況にありますが、今日では国産のセイコーが展開するグランドセイコーに注目が集まり、国内外問わずその人気の高まりが強く感じられます。

国産高級時計の雄として、「最高の普通」という極めて難しいコンセプトを具現化したグランドセイコーは搭載されるクォーツ、機械式、スプリングドライブのムーブメント何れもが高い精度と耐久性を持ち、標準的なモデルにおいてはJIS規格の耐磁水準1種に該当する4,800A/mの耐磁性能を備え、グランドセイコースタイルに基づく普遍的で美しいケースデザインに収めたそれらは、まさに実用性の極致とも言える佇まいを持ちます。

また、グランドセイコーはその製品イメージから、どこか堅い印象を抱かれる事も多いですが、昨今では日本ならではの自然や四季の移ろいなど繊細な情景をダイアルに落とし込んだモデルや、タフな印象のダイバーズ、スポーティなクロノグラフなども積極的に展開することで、その世界観を大きく拡大しています。

今回は誰しもが思い浮かべるグランドセイコーらしさ、それとは少し趣を異にする隠れた傑作とも言える、高い耐磁性能を有したモデルの数々をご紹介して参ります。

グランドセイコー強化耐磁モデルの系譜

まず初めにグランドセイコーにおける耐磁性能は前述の4,800A/mを標準とし、16,000A/m、40,000A/m、さらには80,000A/mと言った性能を備えたモデルが存在します。

出展:grand-seiko.com

耐磁性能については裏蓋の表示(上図参照)を確認することで判断が出来ますが、特に16,000A/m以上の耐磁性能にあたるモデルの多くは、一般的なモデルとは異なるサイズ感、そして特徴的なデザインを持ち合わせています。

それではグランドセイコーの強化耐磁モデルについて、初代なモデルを中心に系譜を辿りご紹介してまります。

初代強化耐磁モデル SMR40000
SBGX039、SBGX045
40,000A/m

2003年に誕生した強化耐時磁モデルの先駆けとなるSBGX039は、ダイアル下部と裏蓋上部に純鉄製の耐磁板を備える事で、ムーブメントを保護し40,000A/mという高い耐磁性能を有する設計がなされており、この構造は後の強化耐磁モデルに継承されています。

視認性を重視した直径31.5mmのダイアルを持ち、これは当時のグランドセイコーとしては最大の大きさとなっています。

また、超細密型打で加工された格子柄パターンにGSロゴと獅子の紋章、インデックスは秒目盛りに至るまでアプライドで仕上げらるなど、細部までこだわりが見てとれます。

また、翌2004年に発売されたSBGX045に関しては、ブライトチタン製の外装にシンプルなブラックダイアルが組み合わされており、見た目も質感も異なるモデルとなっています。

SBGX045
出典:セイコーウォッチ カタログ

SBGX089、SBGX091
40,000A/m

SBGX091
出典:gressive.jp

500本限定のSBGX089(ブラックダイアル)、そしてレギュラーモデルのSBGX091(シルバーダイアル)と二つのモデルが展開されました。

また、こちらは強化耐磁モデルの基本フォルムとなる、多面的なケースデザインが採用された初のモデルです。

SBGR077、SBGR079
80,000A/m

SBGR077
出典:g-mark.org

稀少な機械式の強化耐磁モデルであり、SBGR077(シルバーダイアル)、SBGR079(ブラックダイアル)の二つのモデルが展開されました。

また、上記クォーツモデルSBGX089およびSBGX091と合わせて2013年度のグッドデザイン賞を受賞しています。

こちらのモデルの特徴としては、ダイアルに純鉄を採用する事に加え、クォーツモデルの2倍相当の厚みのある耐磁板を用いることで、機械式として初の強化耐磁性能を備えたモデルであり、さらにはカレンダーを備えながらも80,000A/mというクォーツを遥かに上回る耐磁性能を実現しています。

また、一般的な真鍮製のダイアルに比べ仕上加工が難しいとされる純鉄製のダイアルに、真鍮と遜色のない仕上げを与えることに成功した、画期的なモデルとして今なお根強い人気を誇ります。

SBGX093
40,000A/m

SBGX093

限定生産モデルであったSBGX089のレギュラーモデルバージョンにあたるSBGX093は、ベースとなるブラックダイアルはSBGX089を踏襲しながらも、見返しをシルバーで仕立てることでスポーティな印象を付加し、雰囲気を刷新したモデルです。

SBGX293
40,000A/m

SBGX293

2017年に行われたグランドセイコーのブランド独立に伴い、SBGX093から「SEIKO」ロゴが除かれたSBGX293、新生グランドセイコーにおけるSBGX293は従来の強化耐磁モデルで採用されてきた赤のGSロゴをシルバーに改めることで、一層スマートな印象のデザインが特徴です。

SBGV243、SBGV245、SBGV247
16,000A/m

SBGV245

9Fクォーツ25周年を記念して発売された、新しい世界観を持ったモデルであり、SBGV243(ブラックダイアル)、SBGV245(グレーダイアル)、SBGV247(ネイビーダイアル 1,000本限定)の3つのダイアルパターンで展開されました。

耐磁性能は16,000A/mに止まりますが、ヘアラインを多用したマットな印象のケースに、効果的に配されたポリッシュ仕上が美しいケースの造形を浮かび上がらせます。

またグランドセイコーとして初の試みとなるファブリックストラップの採用が、若々しくも、どこか落ち着きのあるカジュアルさを感じさせてくれます。

SBGX341、SBGX343
40,000A/m

SBGX341

従来モデルからデザインが一新されたSBGX341(ホワイトダイアル)、SBGX343(ブラックダイアル)は、一層ファセットを強調したケース造形に、特徴的な4時位置の配されたリューズがモダンな印象を与えるモデルです。

SBGP015
グランドセイコー誕生60周年モデル
16,000A/m

SBGP015

SBGP015はグランドセイコー誕生60周年を記念して、2020年に2000本の限定モデルとして発売されました。

ダイアルはセイコーを象徴するブルーに染められ、ベゼルも深みあるブルーセラミック製と、力強くスポーティなデザインが印象的な記念モデルです。

一度は手にしてみたい強化耐磁モデル

グランドセイコーの強化耐磁モデルにおいては、純鉄製の耐磁板でムーブメントを挟むことで耐磁性能を実現していますが、その構造故に少なからずケースは肥大し、厚みあるケースとバランスを取るため直径も大きくなる傾向にあります。

一方でケースに多面的でフラットな造形を与えることで、ボリュームあるケースは冗長にならず、強化耐磁モデルならではのキャラクターを際立たせています。

グランドセイコーでありながら、他とは趣を異にする強化耐磁モデルの数々は、その実用性の高さと魅力的なデザインを一度に手にすることが出来る、とても満足度の高い選択と言えるのではないでしょうか。

グランドセイコーの強化耐磁モデル(16,000A/mモデル含む)の在庫状況はこちらからご覧いただけます。

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