高級時計から選ぶフライバック・クロノグラフ
2023-01-10 11:30
ブログをご覧いただきまして、誠に有難うございます。販売部の福田でございます。
先日は、3カウンターや2カウンタークロノグラフという、スタイルの異なったクロノグラフについてご案内をさせて頂きました。
それぞれスタイルは異なっても、基本的なクロノグラフ機能( 任意の時間を計測できること)に違いはございませんでしたが、本日はクロノグラフの中でも特殊な機能を備えている「フライバック・クロノグラフ」のご案内です。
フライバック・クロノグラフ
「フライバック」とはその名の通り、リセットボタンを押すことでクロノ針が飛んで戻って来る様子から名付けられました。一般的なクロノグラフは、スタート(ストップ)ボタンを押してクロノ針を作動させ、もう一度同じボタンを押してクロノ針を止めることで経過時間を確認できます。続けて次の計測を行う場合、リセットボタンを押してクロノ針を元に戻してから、再度スタート(ストップ)ボタンを押すという操作が必要になります。
しかし、「フライバック・クロノグラフ」は、作動中にリセットボタンを押すだけでクロノ針がスタート地点へ戻り、自動で再スタートするという画期的な機能が備わっております。連続で、レース中のラップタイムを計る際には重宝されています。
『スタート→ストップ→リセット→再スタート』
※一般的なクロノグラフは動作4回
⇩
『スタート→リセット』
※フライバックは動作2回!
正確には『リスターティング・フライバック』といい、もともと航空機の登場と共に、現在の飛行位置や目的地までの到達時間を測るために、正確なクロノグラフが必要不可欠となりましたが、操縦中に複雑な動作を行うことが困難だというパイロット用に誕生した特殊機能です。
※一般的な操作も可能です
タイプXX アエロナバル
フライバック・クロノグラフ搭載のモデルとして、個人的に真っ先に思い浮かぶのは、こちらブレゲの「タイプXX」シリーズです。
ブレゲとは、永久カレンダーを始めトゥールビヨンや、ミニッツリピーターなどの超複雑機構の開発を行った天才職人「アブラアン=ルイ・ブレゲ 」によって、1775年にパリで設立された老舗時計メーカーです。
「タイプXX」とは、フランス海軍航空隊用に1950年代に開発された、フライバック・クロノグラフ搭載のパイロットウォッチです。一時的に製造が止まっていた時期があったようですが、1993年にデザイン新たに「タイプXX アエロナバル」がバーゼル・フェアで発表されました。
ケースサイドに装飾されたコインエッジや、鏡面仕上げのベゼルなど高級感のあるデザインが非常に印象的です。搭載したムーブメントも、手巻きから自動巻きへ変更されたことで、より実用的な腕時計へ進化を遂げました。5年後には、デイト付きの「タイプXX トランスアトランティック」が発表され、ブレゲスポーツとしての地位を揺るぎないものとします。
その後タイプXXは、4~5年前に惜しまれつつも生産終了なりましたが、その系譜は途絶えることなく「XXI」や「XXII」へ受け継がれています。
タイプXXI
型番:3810ST/92/SZ9
タイプXX50周年で2004年に誕生したタイプXXIシリーズ。
クロノグラフ秒針とクロノグラフ分針がセンターに配置され、空いた3時位置のインダイヤルは24時間表示となっています。
パイロットウォッチの雰囲気は残しつつ、ブレゲらしい上品な仕上がりですね。
ケースサイズは、タイプXXより3mm大きい42mmとなっています。。
その他のフライバック・クロノグラフ
こちらは、スイスの高級時計メーカー「ウブロ」の「ビッグバン・ウニコ 」です。
両面スケルトンのこだわり仕様。ベゼルやケース素材がチタニウム製となっている為、見た目ほど重くはありません。ビッグフェイスご検討中の方にお勧めの45mmサイズです。
フライバック機能付き。
こちらは、ドイツの高級時計メーカー「ランゲ&ゾーネ」の「1815クロノグラフ」です。
創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲ生誕に因んで名付けられた、ランゲ&ゾーネの代表作の1つ。
クラシックな雰囲気で手元を飾りたい方にお勧めです。フライバック機能付き。
まとめ
いかがでしょうか。フライバックという特殊な機能に関しては、日常でのご使用は限定されてしまうかもしれませんが、こだわりの腕時計をお探しの方にはお勧めしたいモデルですね。
また、「スプリットセコンド・クロノグラフ」や、「レガッタ・クロノグラフ」というフライバック以外にも特殊なクロノグラフも存在しますが、こちらは別の機会にご案内させて頂ければと思います。