ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。
今回はロレックス デイトジャスト Ref.179173NGSをご紹介いたします。
Ref.179173NGSは2004年から2016年にかけて生産されたステンレスとイエローゴールドを組み合わせたレディースモデルであり、26㎜径の扱いやすいケースサイズに、美しさと堅牢性を兼ね備えたロレックスらしい外装デザインを持つモデルです。

Ref.179173NGS
同時代の金無垢モデル同様に、デイトジャストとして初の6桁のリファレンスが与えられたそれは、2000年代以降の外装デザインの方向性を決定付けたモデルであると同時に、僅か四半世紀で従来のイメージを覆し、ロレックスにゴージャスな印象を強く抱かせるようになった、始祖のような存在である点も興味深いモデルと言えます。
21世紀の幕開け、新しいロレックス像
ロレックスと言えば時代の流れに左右されない普遍的なデザインが特徴ですが、それは生まれながらに完成度の高いデザインを持ち、モデルチェンジを重ねるなかでも基本となる設計は踏襲し、実直な改良を行う事でデザインの鮮度を落とさぬよう巧妙な戦略の下に築き上げられてきました。
また、腕時計に求められる機能や、新素材の扱いなどを極めて高い次元で実現する事で、優れた工業製品として時計の歴史を着実に塗り変えてきたロレックスは、時計産業のベンチマークとして他メーカーが目指すべき点であることに疑いの余地はなく、腕時計のトレンドを牽引していく側面までも持ち合わせています。
大きな転換点、外装の進化
ロレックスのモデルチェンジのサイクルは、モデルによっては10年以上と他ブランドと比較し長い事でも知られますが、それは時代に求めらる機能やデザインの一歩先を製品に投影、あるいはロレックスが従来とは異なる価値観を創出することで成立していると言えます。
ロレックスのモデルチェンジにおいては主に外装面における改良、またはムーブメントの新造と言った内装面、いずれかを主軸に行われてきました。
例えば、今回ご紹介のRef.179173NGSについては、前作となるRef.79173から外装面における大幅な改良が施されました。
DATE JUST
Ref.179173NGS
DATE JUST
Ref.79173
主な変更点は、ケースサイズはそのままにボリュームある鏡面仕上げのケースフォルムが与えられ、ブレスレットを構成する駒は中空から無垢材へ、そして留め金具までもブレスレットで覆うコンシールドタイプのクラスプが採用されるなど、まぎれもなく伝統的なデイトジャストでありながら、全く新しいデイトジャストの姿を披露することになりました。

Ref.179173NGS
このモデルチェンジにおいては、必要十分な美観を備えながらも、どこか粗削りな印象が拭えなかった従来のロレックスに、高級時計はこうあるべきと言った、ある分かりやすいゴージャスさが加味され、それは新たな顧客層の獲得へと繋がったと言えます。
実直な進化、ムーブメント改良
2016年にはケースサイズを28mmへ僅かに拡大し、より外装を洗練させたRef.279173へとモデルチェンジが行われましたが、こちらに関してはムーブメントの改良が大きなポイントとなりました。

Ref.279173
従来のCal.2235でも十分な性能を備えていましたが、Ref.279173に搭載されるCal.2236においては、耐磁性能に優れたシリコン製のヒゲゼンマイを採用、55時間ものパワーリザーブ、そして日付早送り禁止時間帯の撤廃など、ロレックスの主戦場と言える実用時計としての性能を明らかに底上げしたものとなっています。
稀少なダイアルを選ぶなら生産終了モデルから
Ref.179173NGSはロレックスの大きな転換点となったモデルであると同時に、今となってはとても稀少なダイアルを持つモデルと言えます。
今日のロレックスにおいて、ニュアンスカラーのダイアルや洗練された仕上げには目を見張るものがありますが、一方で天然素材を用いたダイアルのバリエーションは極めて少なくなっています。
そしてマザーオブパールを用いたモデルもバリーションは限られ、Ref.179173NGSのようにインデックスにサファイアなどダイヤモンド以外の貴石がセッティングされたモデルは、金無垢モデルでも殆ど生産がされていない状況となっています。

DATE JUST
Ref.179173NGS
ロレックスが今後どのようなダイアルの展開を行っていくは未知数ですが、少なくとも現行モデルにおいてRef.179173NGSのようなモデルを手にすることは叶わず、今日的な雰囲気を纏った稀少性が高いロレックスをお探しの方には、Ref.179173NGSは最適解の一つと言えるのではないでしょうか。