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一つの時計と向き合ってみる【レベルソ デュオ】

2023-08-22 11:30

ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。

今回はジャガールクルトのレベルソ デュオをご紹介いたします。

腕時計の世界において、歴史にその名を残すモデルというものが存在しますが、こちらのレベルソについても、それら名作の一つとして語り継がれるモデルであると言えます。

レベルソ、受け継がれる伝統

レベルソとはどのような時計か、それを端的に言い表すならば「ケースの反転構造が特徴」であり、起源は1931年まで遡ります。

当時、ポロの競技中に着用された腕時計、その競技中に発生しうる衝撃からガラスや文字盤を保護するために、ミドルケースを横方向に反転させる構造が生み出されました。

またアールデコを基調としたデザインをもち、ケース上下に水平に走る3本のゴドロン装飾もまた、初代モデルから受け継がれる要素であり、時代を超えた魅力に溢れた造形を今に伝えています。

新たな活路、窮地をチャンスに

レベルソの最大の特徴とも言える反転構造、本来は文字盤の保護であり、裏面についてはエングレービングのキャンバスとして長らく機能していました。

レベルソ裏蓋に施されたエングレービング
jaeger-lecoultre.com

時は流れ1990年代、窮地に立たされていたスイス時計産業界においてジャガールクルトもまた経営の立て直しに直面しており、状況を打破するため考案されたアイディアこそがレベルソの裏面の活用であり、ムーブメントを長らく手掛けてきた同社ならではの高い技術力を持って、新たな取り組みが行われました。

それは裏蓋にサファイアを採用しムーブメントを見せることに始まり、一つのムーブメントの両面に異なる機能を与えることで、本来は文字盤保護を目的として反転していた金属製の裏蓋に文字盤のレイアウトを可能としました。

今回ご紹介のレベルソデュオは1994年に誕生し、裏面にGMT機構を備えることで実用性の高さと、表面とは異なる雰囲気に仕上げた文字盤を持つことから、最も成功したモデルと言えます。

レベルソ、拡大するバリエーション

2000年代に入るとレベルソの裏面の活用については、より大きなグランドサイズの登場と共に搭載された8デイズをベースとしたモデルによりバリエーションを拡大していきました。

それらのモデルはデイト、GMT、パワーリザーブ、またオートマチックモデルなどが生み出され、レベルソの可能性を押し広げる事に成功しました。

原点回帰、丁度良いサイズ

レベルソデュオに関しては、レベルソの新たな可能性を示唆したモデルであり、1994年の誕生以来サイズや意匠を変えながらも、現在においても後継モデルが生産されるレベルソを象徴するモデルと言えます。

昨今の時計トレンドに一つとして、クラシックへの回帰、ジェンダーレスやシェアウォッチといったキーワードがあげられますが、意味合いは異なれど何れもが肥大し過ぎた時計サイズに対する反動的な要素が含まれています。

レベルソデュオに関しても、誕生当時はビッグサイズをベースとしたケースを持つ、決して小さくはないモデルでありましたが、30年近くの時を経た現在においては、クラシックな雰囲気を纏った丁度良いサイズ感のモデルと言えます。

時代が求める普遍性、GMT機能という実用性と二つの表情が楽しめる高い趣味性を両立した、他ではなかなか見られないジャガールクルトならではの傑作をぜひお楽しみください。

レベルソの在庫状況はこちらからご確認下さい。

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