一つの時計と向き合ってみる【パテックフィリップ Ref.5905/1A-001】
2026-09-01 11:00
ブログをご覧の皆様こんにちは、銀座エバンスの福永です。
今回ご紹介のモデルは、パテックフィリップのコンプリケーションモデル5905/1A-001です。

日常使いに則した複雑機構
5905/1Aは5960/1Aの後継機として2021年に発表されたモデルであり、フライバッククロノグラフに加え年次カレンダーを搭載した複雑機構を、ブレスレット付きのステンレスケースに収めたパテックフィリップとしては比較的珍しいパッケージのモデルとなっています。

5960/1A-001 
5905/1A-001
先代の5960/1Aからの主な更点は、ダイアル上のパワーリザーブ表示と12時間積算計を廃することでレイアウトが整えられ、またブレスレットもポリッシュ仕上の5連タイプから、ヘアライン仕上げの面積を広く取った3連タイプへと改められました。
5905に関して初出は2015年のプラチナモデルまで遡り、2019年にはローズゴールドモデルが追加され、いずれも革ベルト専用モデルとしての展開でしたが、2021年に発表された5905/1Aにおいては、コロナ禍以降という時代背景もあってか、ブレスレットを備えたステンレスケースにグリーンソレイユと呼ばれるくすみある色味のダイアルを組合わせる事で、時代に適した新しい高級時計の姿を示すこととなりました。

また、5905に搭載される年次カレンダーについて、この起源は1996年にパテックフィリップが世界に先駆けて発表した機構として知られています。
年次カレンダーは当時のパテックフィリップに欠けていた価格帯を埋める製品としての期待も大きく、また従来の永久カレンダーとは異なるアプローチで開発された年次カレンダーは、耐久性の面でも実用に則した設計がなされ広く支持されていくようになりました。

1996年の年次カレンダー初代モデルは5035であり、搭載されたCal.315S QA 24Hはポインター式のカレンダー表示でしたが、Ref.5905に搭載されるCal.CH 28-520 QA 24H おいてはカレンダリオと呼ばれる小窓での表示方式となり、視認性の面においても大きく進化しています。
そしてクロノグラフ秒針は永久秒針としての利用も可能となっており、時刻の読み取りやすさにも長けたものとなっています。
特徴ある外観、5905/1A-001の構成要素
一見するとオーソドックスな外装デザインを持つ5905ですが、細部に目を移すと各所にこだわりの加工が施されていることに気付かされます。
まずは時計の表情の決め手となるダイアル、こちらは従来の所謂ドレスウォッチでは見られなったオリーブグリーン・ソレイユと呼ばれるくすみのあるグリーンが特徴で、ステンレスの持つ硬質な質感と相性も素晴らしく5905/1A-001を印象的なものとしています。

ダイアル外周に囲むベゼルについては、多くのモデルで目にするフラットなものやドーム形状とは異なり、内側に湾曲するコンケーブ形状のものであり、連続した要素としてラグの側面にくぼみが設けられています。
ややボリューム感を感じる5905のケースですが、これらの造形が小気味よいアクセントとなり、見た目からくる重さを払拭してくれています。
ブレスレットに目を移すと、3連の中央コマは繊細なヘアラインが施され、両サイドは艶やかなポリッシュ仕上とコントラストが美しく目を引きます。
また滑らかな装着感もこのモデルの大きな特徴であり、僅かに露出した開閉ボタンは操作感にも優れつつ全体の調和を乱さない造形を持ちます。
実用性に富み、実に見るべき箇所の多い5905/1A、あらゆるシーンで活用いただけるパテックフィリップならではのコンプリケーションモデルに注目してみてはいかがでしょうか。



