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ロレックスの「海」モデル:それぞれの個性~「シードゥエラー」新旧を比較(Ref.126600とRef.116600) 2020年4月13日

2020-04-13 11:00

今回のエバンスブログは、前半でサブマリーナなど、ROLEX(ロレックス)「海」モデルの概要を振り返ります。後半は深海向けダイバーズウォッチ「シードゥエラー」の「新旧」Ref.126600と116600にスポットを当ててご紹介。2017年登場の現行「赤シード」でサイズ感などが変更、短命だった先代とともに、その動向が気になるところです。

サブマリーナサブマリーナ デイトサブマリーナ デイト先代シードゥエラー Ref.116600現行シードゥエラー Ref.126600ディープシーヨットマスターヨットマスターII

ロレックス「海」の時計を振り返る

ロレックスで「海」のジャンルに向けて作られたモデルと言えば、ダイバーズウォッチの代名詞的存在とも言われる「サブマリーナ」を思い出される方が多いと思います。

その知名度や人気は圧倒的ですが、それ以外にも、深海に潜るプロのダイバーに向けた「シードゥエラー」や「ディープシー」、ヨットなどでリゾートを愉しむ富裕層を意識した「ヨットマスター」、ヨット競技者のための「ヨットマスターII」が存在します。

ロレックス 海モデルの歴史
ロレックス 海モデルの歴史

発表年別に並べると、古い方から「サブマリーナ」、「シードゥエラー」、「ヨットマスター」、「ヨットマスターII」、「ディープシー」の順。サブマリーナが、ロレックス海ジャンルの元祖であり、様々なモデルを派生させてきた歴史が見えてきます。

これらモデルの位置づけを考えると、サブマリーナから見たシードゥエラー、ディープシーは防水性能を極めたストイックな「体育会系の兄貴たち」、ヨットマスターは上品さを強めた「洗練された兄さん」といった表現もできそうです。

以下、各モデルの特徴をダイジェスト的にご紹介します。

 

ロレックスの「海」モデルたち

サブマリーナ(SUBMARINER)

サブマリーナサブマリーナ

(1978年頃の「赤サブ」Ref.1680、現行「サブマリーナ デイト」Ref.116610LN、現行「サブマリーナ デイト(グリーン)」Ref.116610LV、現行「サブマリーナ(ノンデイト)」Ref.114060)

  • 高い防水性に逆回転防止ベゼルを備え、ダイバーズウォッチの基本形とも呼ばれる
  • 現在は300m防水
  • 日付あり(サブマリーナ デイト)と日付なし(サブマリーナ(通称ノンデイト))がある
  • 「日付なし」は1953年、「デイト」は1965年に発表
  • コンビ、ゴールドモデルは「デイト」のみ存在
  • 「青サブ」「グリーンサブ」「ハルク」などの呼び名を持つモデルも多い
  • ベゼルの分目盛りは0~15分だけにある
  • グリーン(116610LV)は黒(116610LN)より定価が高い

追記)2020年9月、サブマリーナシリーズの新作が登場しました。(Ref.126610LN、124060など) 従来同様のデザインで、大きさが1mm大きい41mmとなり、70時間パワーリザーブの新世代ムーブメントを搭載しています。

シードゥエラー(SEA-DWELLER)

シードゥエラーシードゥエラー

(1979年頃の初代Ref.1665「赤シード」、3代目 Ref.16600(このモデルまでベゼルの分刻みは0~15分)、セラミックベゼルを採用した4代目(=先代) Ref.116600、43mm径にサイズアップした5代目(=現行)Ref.126600)

  • 1965年発表、「海の居住者」という意味
  • プロフェッショナル仕様のダイバーズウォッチ
  • フランスの潜水専門会社「コメックス(COMEX)」社と共同開発
  • 現在は1,200m(4,000フィート)防水
  • 「ヘリウムガスエスケープバルブ」を採用、防水性能を高めた
  • 「ヘリウムガスエスケープバルブ」は飽和潜水時に自動で作動
  • 長い間サイクロップ(日付拡大)レンズがなく、ステンレス仕様のみだった
  • ベゼルは60分目盛り入り(先代Ref.116600から)

ディープシー(SEA-DWELLER DEEPSEA)

ディープシーディープシー

(初代「ディープシー」Ref.116660、2014年に加わったD-ブルーダイアル Ref.116660、2019年からの現行D-ブルーダイアル Ref.126600)

  • シードゥエラーの超深海版として登場
  • 3,900m(12800フィート)防水を誇る
  • ロレックス最大の44mmサイズ
  • 5mm超のドームガラスやチタン合金製裏蓋など独特の防水システム
  • グラデーションダイアル(D-ブルー)は2014年の登場
  • D-ブルーは映画監督で探検家のジェームス・キャメロン氏の偉業をたたえたもの
  • ベゼルは60分目盛り入り

ヨットマスター(YACHT-MASTER)

ヨットマスターヨットマスター

(プラチナベゼルとステンレス素材の先代「ロレジウム」Ref.116622、ピンクゴールドコンビの先代「ヨットマスター」Ref.116621、現行モデル「ヨットマスター40」Ref.126622、ホワイトゴールド素材&ラバーブレスの2019年発表モデル「ヨットマスター42」 Ref.226659)

  • ヨットクルーズを楽しむ富裕層がターゲット、船上のマリンスポーツを意識
  • 両方向回転ベゼルに100m防水とスペックは控えめ
  • コンビはあるがステンレスだけの仕様はない
  • 「ロレジウム」=SS&プラチナ、「ロレゾール」=SS&ゴールドはともに造語
  • 2015年にロレックス初のラバーブレス「オイスターフレックスブレスレット」を採用し、人気が再燃
  • 2019年に42mmサイズのモデルが登場。現在は42mm,40mm,37mmの3サイズ展開
  • ベゼルの分目盛りは0~15分だけにある

ヨットマスターII(YACHT-MASTER II)

ヨットマスターIIヨットマスターII

(プラチナベゼルにホワイトゴールド素材の先代 Ref.116689、ピンクゴールド&ステンレスの先代 Ref.116681、マイナーチェンジ前のステンレスモデル Ref.116680、型番は変わらず、針の形などが変更した現行ステンレスモデル Ref.116680)

  • ヨット競技に対応したレガッタ クロノ(カウントダウンタイマー)を装備
  • ムーブメントはデイトナのクロノグラフムーブメントを改良したもの
  • 回転式コマンドベゼルで操作の一部を行う
  • ロレックスでは最大の44mmサイズ
  • ステンレスモデルも存在
  • 2017年にマイナーチェンジ。型番変わらず、針の形などが変化。
 

新旧「シードゥエラー」を比べてみる

では、今回の主役である先代「シードゥエラー4000(Ref.116600)」と現行「シードゥエラー(Ref.126660)」それぞれの特徴をご紹介します。

踏襲の美学。先代「シード」 Ref.116600

先代モデル Ref.116600先代モデル Ref.116600

(40mmサイズの「シードゥエラー4000」(2014~2017)。サイクロップレンズのない外観、ケース9時位置のヘリウムガスエスケープバルブ、裏蓋の刻印等が特徴)

2014年に発表された「シードゥエラー4000(Ref.116600)」。シードゥエラーとしては4代目となります。2008年の超深海向け44mm径ダイバーズ「ディープシー」の登場で、1,220m防水のシードゥエラーが途絶えていた状況の中で、6年ぶりの復活でした。

セラミック製のベゼルに60分の分刻み、ブレスレットのグライドロックエクステンション機構やブルーパラクロムヒゲゼンマイを採用するなど、細部に進化を遂げて復活。

しかし、基本的な外観は、3代目(Ref.16600)までの、40mmケース&サイクロップ(日付拡大)レンズなし、の伝統的なスタイルを引き継いだ、シードゥエラーらしい正統派モデルとなっていました。

しかし、次モデルRef.126600が2017年に登場したことにより、わずか3年ほどの短命に終わったモデルなのです。

 

現代風に変身。現行「赤シード」 Ref.126600

現行モデル Ref.126600現行モデル Ref.126600

(従来より3mm大きい43mmサイズになった現行「シードゥエラー」(2017~)。サイクロップレンズ、赤いモデル名が印象的。ヘリウムガスエスケープバルブはケース9時位置に備える)

シードゥエラー50周年にあたる2017年に登場したのが、5代目となる現行「シードゥエラー(Ref.126660)」。1,220m防水はそのままに、このシリーズ初のサイクロップレンズを装備、従来より3mm大きい43mmケースに、1stモデル初期に存在した赤い「SEA-DWELLER」文字となり、サブマリーナ寄りの外観に変わりました。

さらに2019年の新作として、過去にはなかったイエローゴールドコンビが登場し、質実剛健なイメージを払拭、ヨットマスターやサブマリーナのコンビ&ゴールドモデルを意識したかのような新作は、大変な驚きを持って迎えられました。

搭載するのは70時間のロングパワーリザーブを備えた新世代ムーブメントCal.3235。内外ともに現代風に変わったのが、現行モデルということになります。

ちなみに、2017年頃の初期モノは、ダイアル6時位置が「SWISS 王冠 MADE」でない「SWISS MADE」。珍しい「ノークラウン」仕様として、特に注目されています。

 

新旧「シード」を比較します

厚さや重さの比較

比較 シードゥエラー Ref.116600比較 シードゥエラー Ref.126600比較 サブマリーナ デイト Ref.116600比較 ディープシー Ref.126660

新旧シードゥエラー(Ref.126600、Ref.116600)とサブマリーナ デイト(Ref.116610LN)、ディープシー(Ref.126660)の4モデルで厚さや重さを比較してみました。ディープシーは見るからに分厚く重く感じます。シードゥエラー新旧は厚さがあまり変わらなく、重量の差が20gほどあります。先代シードゥエラーとサブマリーナは同サイズなのですが、ケースの形状やベゼルの幅などが違うようで、正面では先代シードゥエラーが心持ちシャープな感じです。

 

着用感の比較

先代シードゥエラー116600現行シードゥエラーRef.126600
サブマリーナ デイト Ref.116610LNディープシー Dブルーダイアル Ref.126600

腕周り17cm、サブマリーナデイト(Ref.116610LN)を愛用するスタッフに腕に乗せてもらいました。着用感や感想を聞いたところ、「ディープシーはやはり大きく重さを感じました。シードゥエラーは新旧とも少し厚さを感じましたが、43ミリサイズの現行赤シード(Ref.126600)は、予想ほど大きさは感じなくていい感じでした。シードゥエラーだったら、現行赤シードが好印象でした。」とのことでした。

サブマリーナと比べ、シードゥエラーやディープシーは、重量感や厚みもあるため、実際に腕に乗せて着用感を確かめてみることをお薦めします。

 

新旧 それぞれの個性

サブマリーナと少しだけ違う外観で、「知る人ぞ知る」的な質実剛健路線の最後のモデルとなる(だろう)先代「シードゥエラー4000」。サブマリーナの人気の裏で知る人が選んできた、控えめな印象のモデルという印象もあります。既に生産終了となっていますので、希少モデルとして今後は更に人気が上昇するかもしれません。

かたや、大型化しつつラグジュアリー要素も加わった、新しい「赤シード」こと、現行「シードゥエラー」。サブマリーナの上級モデルとして少しポジションを変えてきた印象です。果たしてこのリニューアルは吉と出るのか、気になりますが、最初は見慣れなくても、そのうち普通に良く見えてくるロレックスマジックがあるような気もします。

1,220m防水というハイスペックは同じながら、希少な先代モデルと、今風に路線変更した現行モデル。それぞれの個性を持つ新旧シードゥエラー、それぞれの動向が気になっています。

ところで、
現在、エバンスでは「先代モデルのシール付き未使用品」が販売中です。生産終了から時間もたっており、今後の新品・未使用品での入荷は難しそうな1本です。
先代シードゥエラー Ref.116600
ROLEX(ロレックス)「シードゥエラー4000(Ref.116600)」
(保護シール付き未使用品 40mm径 自動巻き 1,220m防水 2015年4月保証書 バックル中板は梨地)

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