今回のエバンスブログはロレックス「ヨットマスターII」をご紹介。2026年に2年ぶりとなる新型が登場し話題となりました。今回はステンレス素材の新世代モデルRef.126680を中心に、2024年までの旧世代モデルRef.116680とどこが変わったのかを、歴史や比較表とともに取り上げていきます。
新型のRef.126680は、先日当店に入荷しましたが、すぐにSOLD OUTとなったモデルです。少しの時間ですが、実際に触ることができました。残念ながら旧世代モデルとの触り比べはできなかったのですが、新世代モデルを触って実感した驚きや変化についてもお伝えできればと思います。
ヨットマスターIIとは?
まずは、ヨットマスターIIがどんな時計なのか、ポイントを箇条書きでご紹介します。
【ヨットマスターIIとは?】
- ヨットマスターから派生したモデル
- 2007年に誕生
- 2024年にいったん生産終了、2026年に復活
- 機械式の「カウントダウンタイマー」を搭載
- カウントダウン終了時に音は鳴らない
「ヨットマスター」は、「洋上でヨットを楽しむ人達」に向けて誕生したと言われる、華やかさのあるスポーツ系モデルです。一方、ヨットマスターIIは「ヨットレースのスタートに本格的に対応」したモデルということで、そのキャラクターは大きく異なります。
「ヨットマスターII」は、デイトナのムーブメントCal.4130をベースに開発された専用ムーブメントを搭載。機械式時計でありながら、1~10分のカウントダウンを設定できる、非常に特殊な機能を備えています。2024年までの旧世代モデルでは「リングコマンドベゼル」による独自の操作系も特徴でした。
(ヨットマスターII Ref.116680(前期型)、ヨットマスターII Ref.116689(前期型))
また、44mmという大型で、ロレックスでは珍しい白文字盤のスポーツモデルという点も「ヨットマスターII」の特徴です。白文字盤に青いセラミックベゼル※を組み合わせたデザインは、鍛えた腕によく似合う精悍なモデルといった印象を持たれていた方も多いのではないでしょうか?(※青いセラミックベゼルではないモデルも存在しました)
ヨットマスターIIの歴史
ここで、ヨットマスターIIを中心にその歴史を振り返ります。
![]() ヨットマスターII |
![]() ヨットマスター |
|
|---|---|---|
| 年 | ||
| 1992 | ヨットマスター誕生 | |
| 1997 | YGコンビ登場 | |
| 1999 | ロレジウム登場(SS&PTベゼル) | |
| 2007 | ヨットマスターII誕生 (Ref.116688、116689) | |
| 2011 | SS×RGコンビ登場(Ref.116681) | |
| 2013 | ステンレスモデルが登場(Ref.116680) | |
| 2015 | オイスターフレックス ブレスを初採用(37と40) | |
| 2017 | マイナーチェンジ | |
| 2019 | 42mmモデル登場(WG) | |
| 2022 | 生産終了(Ref.116689) | 42mmにYGモデル登場 |
| 2023 | RLXチタンモデル登場(42mm) | |
| 2024 | 旧世代モデル終了(Ref.116680、116681、116688) | |
| 2026 | 新世代モデル誕生(Ref.126680、126688) |
ヨットマスターは1992年、ヨットマスターIIは2007年に誕生しており、ともにロレックスの中では、比較的最近のモデルだったりします。
ヨットマスターは、「オイスター フレックス ブレスレット」を初採用したり、「オールチタン製」モデルが登場するなど、外装面での挑戦が多いのは意外な特徴です。そして、ヨットマスターIIが、生産終了のわずか2年後に新世代モデルとしてリニューアルしたのは、まさに驚きの展開でした。
新旧ヨットマスターIIを表で比較(Ref.126680とRef.116680)
この章では、ステンレス素材の新旧ヨットマスターIIを表で比較します。
| 名称 | ヨットマスターII (生産終了モデル) |
ヨットマスターII (2026年新作) |
|
| 型番(Ref.) | Ref.116680 | Ref.126680 | |
| (前期型) | (後期型) | ||
| 写真 | ![]() |
![]() |
![]() |
| 製造年 | 2013~2017年頃 | 2017~2024年頃 | 2026年~ |
| サイズ | 44mm | 44mm | |
| ベゼルの種類 | リングコマンドベゼル | 両方向回転ベゼル | |
| ベゼル素材 | セラクロム(セラミック) | セラクロム(セラミック) | |
| 針 | ![]() ブルー針、分針くり抜き |
![]() ベンツ針、分針くり抜き |
![]() ベンツ針 |
| 12時位置インデックス | ![]() 青フチ、正方形 |
![]() 横長の三角形 |
![]() 縦長の三角形 |
| 6時位置インデックス | ![]() 青フチ、正方形 |
![]() 縦長の長方形 |
![]() 横長の長方形 |
| 他のインデックス | 青フチ、正方形 | 正方形 | ドット |
| ムーブメント | Cal.4161 | Cal.4162 | |
| パワーリザーブ | 約72時間 | 約72時間 | |
| 防水 | 100m | 100m | |
| カウントダウン表示 | ![]() |
![]() |
![]() |
| カウントダウンタイマー | ○ | ○ | |
| カウントダウン針の進行方向 | 時計回り | 反時計回り | |
| 設定時間 | 1分刻みで1~10分 | 1分刻みで1~10分 | |
| 設定方法 | ![]() ベゼル+4時位置ボタン+リューズ |
![]() 4時位置ボタンを押す |
|
| 操作 | 2時位置ボタン:スタート/ストップ 4時位置ボタン:リセット |
2時位置ボタン:スタート/ストップ 4時位置ボタン:リセット |
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| シンクロナイゼーション※1 | ○ | ○ | |
| バリエーション(Ref.) | 116688(イエローゴールド)、116689(ホワイトゴールド)、116681(エバーローズゴールドコンビ) | 126688(イエローゴールド) | |
※1 【シンクロナイゼーション(動作中に4時位置ボタンを押した場合)】カウントダウン中に4時位置のボタンを押すと秒針が0秒位置に戻り、離すとカウントダウンを再開します。クロノグラフのフライバックに似ていますが、同時に分針が最も近い分に自動補正され、ヨットレースの公式タイマーに同期できます。
旧世代モデルRef.116680の転換点は「2017年のマイナーチェンジ」。青針がシルバー色の針になり、時針の形がベンツ型になるなど、外観で細部の変更はありましたが、ムーブメントは変わらず、型番の変更はありませんでした。
2026年に発表された新世代モデルRef.126680では、白いダイアルに青いベゼルといったヨットマスターIIらしさを継承しながら、ダイアル周りや操作性に大きな変更が加わっています。
次の章では新旧ヨットマスターIIの具体的な違いを見ていきます。
新旧ヨットマスターIIの違い
外観が変わった
・ベゼル
ヨットマスターIIの新世代Ref.126680と旧世代Ref.116680の外観で主に変わったのは「回転ベゼル」と「ダイアル」ではないでしょうか?
新型126680では、一般的な「両方向回転ベゼル」を採用。60分目盛りで最初の30分が1分刻みで目盛られています。このあたりはヨット競技を意識しているのかもしれません。
一方、旧世代116680のベゼルは「リングコマンドベゼル」というタイマー設定用の特殊なベゼルです。1~10の数字が配置されていますが、ニュートラルポジションと、そこから反時計回りに90度回した位置の間だけ動くようになっています。
・ダイアル
ダイアル周りで大きく異なるのは、0から10のカウントダウンタイマー数字の位置。旧世代では「ベゼル」と「ダイアルの中央近く」に配置されていますが、新型ではダイアルの外側にある「フランジ」と呼ばれる部分に配置されています。このフランジは斜面ではなく階段状になっていて、タイマーの目盛りと時計の目盛りがはっきりと区切られています。また、新型のダイアルには反射の少ない「マットなホワイトラッカー」が採用されています。
新型と旧型は44mmで同じサイズ感なのですが、インデックスがフランジ部分より内側にあるせいか、新型の方が「小さくすっきり」と感じる気がします。ベゼルの数字やモデル名の入り方も影響しているかもしれません。そして、インデックスが四角からドットに変わったのも、ヨットマスターやサブマリーナに似た雰囲気を感じさせてくれます。
・カウントダウン針
見た目の変化としてもうひとつ大きいのが、カウントダウン機能の針が進む方向です。新型126680では「反時計回り」に進むようになりました。カウントダウンの残り時間を、より直感的に読み取れるようにしたものです。ちなみに、ダイアル6時位置にある通常の秒針は時計回りに回ります。
操作が違う
・新型は4時位置ボタンだけ
新型126680を触って一番驚いたのは、カウントダウンタイマー設定のシンプルさ。カウントダウンタイマーが停止した状態で、「4時位置ボタンを押すだけ」。押すたびに1分ずつ設定時間が変わります。
・旧型は3つの操作を組み合わせ
旧型116680では、カウントダウンタイマーの設定を、「リングコマンドベゼル」「4時位置ボタン」「リューズ」の3つで行っていました。
その方法は、設定時は(1)コマンドベゼルを90度反時計方向に回転→(2)4時位置ボタンを押し込む→(3)リューズを手前に緩め、その位置のままリューズを奥側へ回転。設定終了時は、(1)緩めたリューズを戻す→(2)コマンドベゼルを時計回りに90度回転。といった操作になります。
・ここまでシンプルに
リングコマンドベゼルで、1~10分の複雑なタイマー設定を実現したのはロレックスならではの技術ですが、「操作に慣れが必要」な感じです。一方、4時ボタンだけで設定できる新型は、急なタイマー変更も「楽々こなせそう」です。
カウントダウンタイマーの設定は大きく異なりますが、タイマーを使う際は新旧ともに「基本操作は同じ」です。2時位置ボタンがスタート/ストップ、4時位置ボタンがリセットです。(タイマー作動中に4時位置ボタンを押すと、秒針が0秒位置に戻り、カウントダウンを再開します=シンクロナイゼーション機能)
見た目以上に変わった。特に驚いたのは操作性。
今回は、新型ヨットマスターII Ref.126680と旧世代モデル Ref.116680の違いを探ってみました。目に留まりやすいのはカウントダウン針の「反時計回り」の動きですが、大型ケースに白文字盤で青ベゼルといった全体の印象はさほど変わっていなかったりします。
触ってみて驚いたのは、カウントダウンタイマーの設定操作。「衝撃的なシンプルさ」でした。機構の進化というと、特殊な機能を付け加える方向を想像しますが、操作を大胆に整理するという方向で技術が使われているのが印象的です。今後が楽しみなモデルになったように思います。
一方、旧世代のヨットマスターIIは、今後は主に中古で流通することになると思いますが、リングコマンドベゼルをはじめとする独特な操作系や精悍な外見など、個性があります。新型が登場したことで、旧世代ヨットマスターIIの魅力が改めて見えてくる部分もあるのではないでしょうか。

参考)ショート動画で新型ヨットマスターIIのカウントダウン針の動きを紹介しています。→YouTubeショート動画へ
































