X線を扱う医師や、発電所で働く技師といった強い磁場の存在する職場で働く人々のために作られたロレックスを代表する耐磁時計「オイスター・パーペチュアル・ミルガウス」。名前の由来はフランス語のmill(数字の1000)とgauss(磁束密度の単位)で文字通り1000ガウスもの磁束密度に耐えられる耐磁性を実現したモデルです。
究極の実用時計を目指すロレックスは、1950年代に入ると、冒険家用の腕時計や潜水時計など特殊任務に着手するプロフェッショナルのための時計製造を行いました。
そうした中で1956年に登場したミルガウスは、ムーブメントを強磁性合金のケースで覆うことによって耐磁性を実現しましたが、耐磁という目に見えない機能は当時の市場では理解させず、1980年代に姿を消すことになりました。 しかし、磁気製品が身近なものとなった現代社会では、磁気が時計に及ぼす影響が大きくなり、耐磁性のある腕時計の重要性が高まっています。2007年のバーゼルワールドで復活を果たした「ミルガウス」は復活するべくして復活したモデルと言えるでしょう。